東城小中学校の通学路に横断歩道

住民らが見守る中、横断歩道を渡って登校する東城小中の児童ら(午前7時20分ごろ)

国道58号、見里集落に初設置
集落の要望実る

奄美市立東城小中学校(永井孝典校長、児童18人、生徒12人)の通学路となっている奄美市住用町見里の国道58号にこのほど、横断歩道が設置された。7日早朝には、地域住民らが見守る中、児童らが横断歩道を利用して登校。見里集落の村山則文区長は「子どもたちが安全に登校できる環境ができてよかった」と話し、元気に登校する子どもたちの姿に目を細めた。

横断歩道が設置されたのは、国道58号三太郎トンネル出入口から見里集落側700㍍ほどにあるくまもと弁当店前。同校などによると、登校の際に国道を横断しなければいけない児童らが6人ほどいるという。一方で、同集落内にはこれまで、横断歩道がなく、子どもたちは、自らの判断で安全確認して道路を横切るしかなかった。

同集落では、国道が整備された約30年前から横断歩道の必要性を指摘する意見があったと言い、近年、国道横断して登校する同校の児童生徒が増えたことなどから、改めて横断歩道の整備を市などに要望した。

同集落住民らが子どもたちの通学時間帯に合わせて自主的に交通量の調査も行った。午前7時~同7時半までの約30分間で約250台の通行量があることも分かった。

村山区長は「国道58号の整備が進み、近年は通勤車両も増えた。集落前は直線になっているので、かなり速い速度で通過する車両も多い。冬場はまだ暗く、小さな子どもたちが交通事故に遭わないか心配だった」という。

毎朝、3年生の妹と1年生の弟らと一緒に横断歩道を利用して登校する4年生の西蒼祐君(10)は「たくさん車が通るので、渡るのが怖いなと思うこともあった。横断歩道ができてからは、車が止まってくれるので安心して横断できるようになった」と話し、父親の隆弘さん(35)も「毎日、交通事故を心配していたので、横断歩道を作ってもらいありがたい」と喜んだ。

同校の永井校長も「横断歩道はドライバーへの注意喚起にもなる。子どもたちの安全を見守ってくれている地域の方々に感謝したい」と話し、村山区長は「集落全体で子どもたちの安全を見守っていきたい。ドライバーには、横断歩道近くでは、速度を落として、安全運転に心掛けてほしい」と呼び掛けている。