小型風力発電機と電動モビリティを導入

設置した小型風力発電機(奥)と電動モビリティ試乗会の参加者ら=知名町メントマリ公園=

環境に配慮した観光地へ
知名町で試乗会

 【沖永良部】ゼロカーボンシティの実現に向け知名町はこのほど、小型風力発電機と電動モビリティを導入した。8日、同町メントマリ公園で電動モビリティの試乗会を開催。同町は、今月から3月末にかけて実証実験を行い、導入した設備を活用して環境に配慮した観光振興への可能性を探る。

 奄振事業を活用した町の「2021年度沖永良部環境・生活インフライノベーション事業」の一環。再生可能エネルギーと電動モビリティの導入を推進し、島内の低炭素化を図る。総事業費は約4600万円。

 先月、メントマリ公園に出力9キロワットの小型風力発電機1基を設置、今月から稼働している。導入した電動モビリティは、電気自動車が1台、電動バイク2台、電動アシスト付自転車2台。

 実証実験では、風力発電と蓄電システムの稼働調査のほか、フローラルホテルの利用客を対象に電動モビリティを無償で貸し出して観光周遊調査を行う。

 試乗会には今井力夫町長や地域住民ら10人ほどが参加。それぞれの車両の乗り心地を確かめた。

 電気自動車を運転した先間秀明さん(74)は「今まで乗っていた車と操作はほとんど変わらない。音も静かで快適だった」と笑顔。

 今井町長は「風力発電で作った電気を普段の生活でも活用することで、化石燃料に頼らない町づくりを進めていきたい」と話した。