京都で初の合同展示会

3日間にわたり京都市で開かれた初の合同展示会「紬コレクションin京都」(本場奄美大島紬協同組合提供写真)

新たな「売り先獲得」手応え
県内3団体 大島紬産地一堂に

本場奄美大島紬協同組合(牧雅彦理事長)ら大島紬の生産業者などでつくる県内3団体は1月20~22日の3日間、産地の大島紬が一堂に会する初の合同展示会「紬コレクションin京都」を京都市で開いた。会場には郷土が誇る手織りの反物3500反が展示され、関西の問屋や小売業者、消費者らが見て回った。報告した牧理事長は「産地が出向くことで初めて訪れるバイヤーも大勢いた。新たな売り先を獲得できたのは、明るい収穫だ」と手応えを話した。

奄美市の本場奄美大島紬協同組合、鹿児島市の本場大島紬織物協同組合、藤絹商工協同組合の3団体でつくる県本場大島紬協同組合連合会が主催した。コロナ禍で延期も続き、企画から3年越しの実現。産地20社が出展し、世界自然遺産登録決定も追い風に、問屋小売業者が集まる京都で販路拡大を目指した。

会場となった京都経済センターでは、800坪あるワンフロアを貸し切り、即売会や新作発表会を催した。発表会では泥染めや白大島などの新作を中心に1500反を取りそろえ、商談会でも不足がないよう2000反を準備。一般消費者には産地から値段を提示して販売を試みるなど、野心的にも取り組んだ。

会場では、機織りの実演や泥染め体験、シマ唄の披露などでも盛り上がった。普段は産地を回って買い付ける小売業者らも、近くで見られるとあってか多くの新顔も訪れた。「恒例化してほしい」との声もたくさん寄せられたという。

次回は京都に加え、東京でも合同販売会を予定。牧理事長は「本物が見直されている時代。コロナ禍や雪の影響で一般消費者は遠のいたが、これからも魅力をしっかり伝えることで、販路拡大につなげていきたい」と話した。