あまみんが優秀賞

奄美初のノウフク・アワード「優秀賞」を受賞したあまみんの田中代表

農水省主催ノウフク・アワード
奄美初、工賃稼ぐ流れづくり評価

障がい者らが農業を通して働く「農福連携」の優れた取り組みを表彰する2021年度「ノウフク・アワード」(農林水産省主催)の優秀賞に、龍郷町の就労継続支援B型事業所「あまみん」(㈱リーフエッヂ・田中基次代表)が選ばれた。奄美群島では初めて。労働対価で受け取った農作物や、自家栽培した果物を加工・販売することで、利用者が工賃を稼ぐ流れにつなげたことなどが高く評価された。

同賞は、農福連携を展開する優良な団体を表彰し、国民的運動へ機運を高めようと20年から開催。全国約300事業所から応募があり、全25団体が受賞。あまみんは上位三賞の、グランプリ、審査員特別賞に続く優秀賞に選ばれた。

代表の田中さんは沖縄から移住し、医療機関に勤めた後16年に「あまみん」を立ち上げた。当初は、近隣農家の手伝いで工賃を得ていたが、台風の多い奄美では思うような収入が得られず、農家には金銭負担の少ない農作物に変えて支払ってもらうことで六次産業化に挑戦。そこからは、独自製造の「ハーブティー」や地域の特産果物を使った「ジェラート」の加工・販売で収益性を高め、利用者の工賃向上につなげてきた。

登録する利用者は現在30人。六次産業化にしてからは、農作業だけでなく製造や販売、デザインやサイトの管理など仕事は多岐に渡るようになった。利用者の興味や障がい特性に合わせて働き方をマッチングできることも評価された。

田中代表は受賞に対し「身が引き締まる思い。これからも離島の強みを生かし、利用者のいい部分を引き出せるような仕組みづくりに努めていきた」と感謝。春には敷地内にジェラート店もオープン予定で「地元の人や観客が訪れ、利用者と楽しめるような交流の場にしていきたい」と喜んだ。

表彰式は3月に東京で行われる予定。