海王丸が大島海峡に停泊

大島海峡に停泊した海の貴婦人「海王丸」(稲光政さん撮影)

ファン、「海の貴婦人と再会」

白い帆を立て、凛として優雅なたたずまいから“海の貴婦人”“白い貴婦人”と称される帆船「海王丸」が8日、瀬戸内町の大島海峡に停泊した。同海峡に不定期でやってくる海王丸のファンも多く、この日も突然現れた貴婦人が多くの町民の目を楽しませた。

海王丸は、独立行政法人海技教育機構(神奈川県)が練習船として運航している。国内の海洋大学、海技系大学校、商船系専門学校など多くの学生・生徒が同船で実習訓練を行っている。また一般青少年を対象に海洋教室や体験航海にも利用されている。

1月26日にも大島海峡に停泊した海王丸。今回で今年は2度目のお目見えとなった。前日7日に鹿児島港を出港し、この日は大島海峡に錨を下ろした。

撮影した加計呂麻島在住の稲光政さん(77)も海王丸ファンのひとり。定期船で加計呂麻島に帰る途中、偶然貴婦人と遭遇したという。「いつ現れるのか分からない貴婦人なので、再会はうれしいものがある。帆を張った姿を見られなかったのが残念。次回に期待したい」と久しぶりの海王丸の姿に喜んだ。

海王丸は、国や関係機関及び国民からの寄付により1989年に竣工。全長110メートル、型幅13・8メートル、垂線間長86メートル、最大搭載人員199人。マストの高さは海面上約50メートルで、帆の総面積は2760平方メートル(36枚)にもなる。