改正種苗法

4月から「登録品種」許諾必要に
サトウキビ、メークインは手続き不要

国内で開発されたブランド果実などの種や苗木を海外に不正に持ち出すことを禁じる改正種苗法で、品種登録された「登録品種」の自家増殖が4月1日から許諾性となることから、国(農研機構)が育成者権を持つ品種の許諾申請手続きが始まった。鹿児島県は、県内の農業者に対し、果樹やサツマイモ、イチゴ、バレイショなどについて、手続きを行うよう呼び掛ける一方、県の登録品種については、第三者への譲渡や海外に持ち出さないことなどを条件に、申請手続せず自家増殖ができるとしている。また、県内で主に栽培されている多くの品種は、「一般品種」で、奄美の基幹作物であるサトウキビ(農林8号)についても一般品種のため、許諾不要となっている。

県内主要作物は「一般品種」

改正種苗法は、国内の優良品種が海外に流出し、他国で増産され輸出されるなど、国内の農業発展に支障が出ていることから、種や苗木など農産物の知的財産の保護を目的としている。海外へ持ち出されることを知りながら種苗などを譲渡する刑事罰や損害賠償の対象となる。

一方、4月から始まる登録品種の許諾制度では、農家が収穫物から採取した種や苗木を次の栽培に生かす「自家増殖」する場合、開発者の許諾が必要となるため、許諾料金や手続きについて、農家の負担を懸念する声も出ていた。

県農政部経営技術課は、「民間や他県で開発された登録品種については、各育成者(機関)に問い合わせてほしい」と呼び掛ける一方、「県内で栽培される多くの品種が許諾不要の一般品種で、県の登録品種についても許諾手続きは不要。国の登録品種については、生産者組合など団体での申請も可能となっており、農家に大きな負担がいくことはない」としている。

徳之島や沖永良部島が主な産地となっているバレイショについては、国の登録品種である「ピルカ」など一部品種が登録品種となっているものの、主要品種であるメークインやニシユタカ、デジマなどの品種は許諾不要の一般品種となっており、県は「登録品種については、県や農研機構のホームページなどで確認してほしい」としている。