災害時の要介護者避難意識調査

半数が「一人で避難できない」
介護事業所協 支援専門協 「地域の連携、意識向上重要」

 奄美大島介護事業所協議会(盛谷一郎会長)と県介護支援専門員協議会奄美大島・喜界島支部(中里浩然支部長)は16日、災害時の要介護者などの避難に関する調査結果を公表した。調査によると、要介護者の約半数(43%)が「他者の手助けがなければ避難できない」ことが確認された。うち、76%が「避難方法などの想像(イメージ)ができない」と回答。同協議会の勝村克彦事務局長は「あらためて個別避難計画の作成の必要性がある」とした。

 1月16日未明の津波警報発生時に、多くの市民が車などで高台に避難した。一方、一人で避難できない要介護者も多数いたという。それを受け、同協議会と支部は同月18日、災害時における障がい者や要介護者の迅速な避難体制づくりを求める要望書を、奄美市に提出している。

 調査は、在宅の要介護高齢者のケアマネジメントを担っている介護支援専門員73人に対して実施。担当している1844人の要介護者の災害意識を調査した。

 災害時に、①家族と避難できる882人(48%)②避難できない797人(43%)③一人で避難できる134人(7%)④わからない31人(2%)―と回答。同協議会によると、「避難できないと回答した797人のほとんどが、個別避難計画が作成されていない」という。

 また、介護支援専門員(73人)の大部分(94・5%)が個別避難計画の作成に関わったことがなく、約4分の1(23・3%)が個別避難計画を認識していない実態が確認された。一方、73人全員が個別避難計画の作成が必要だと回答した。

 同協会は、今回の結果について「手助けの必要な要介護者の個別指導計画作成には、地域や関係機関との連携が不可欠。要介護者本人や家族、また介護支援専門員の避難行動に対する意識向上も重要」と総括した。