子どもへの感染増加顕著に

島内初の児童施設クラスター
マスク着用など対応に苦慮も

県は23日、知名町の児童施設を新たなクラスターに認定、22人の感染を発表した。うち10歳未満の感染者は15人。奄美群島内の児童施設では初のクラスターとなる。同施設の感染対策に関して「手指消毒や換気は行っていたが、利用者(児童)におけるマスクの着用が不十分だった」としている。第6波以降、変異株「オミクロン株」の急速な感染拡大に伴い、子どもの感染数も急増。関連施設は更なる対応に迫られている。

奄美市のある保育施設では、園児にマスクを着用させるなどの対応が難しいため、室内の消毒、換気など環境面、または、職員自身の感染対策が続けられている。おもちゃの消毒、手洗いの付き添い、検温などを日々実施。だが、「いつ誰が感染してもおかしくない」状況だと、同園職員は不安を募らせる。

しかし、施設側だけでなく、保護者側の協力のおかげで、ここまで運営が出来ている面が大きいと指摘する。児童が鼻水をすするなどの体調の変化が見られれば、保護者側の判断で事前に休ませるなどの対応をしているという。そして同園は、今後の更なるコロナ対策として「オンラインを利用したICT教育の導入」を挙げた。

国内でも、早い地域では今月中にも、5~11歳の子どもに対するワクチン接種が開始される。県内では鹿児島市が24日から予約を始めた。副反応の恐れなど懸念事項はあるが、保護者、施設関係者による子どもに対する感染対策の選択肢が一つ増えたといえる。施設だけではない、保護者、行政が一体となった対応が、今後ますます求められている。