安田さんの指導を受けながら手すきで卒業証書をつくる児童たち(提供写真)
名音小、手すき和紙で
大和村立名音小学校(桑鶴直幸校長、児童17人)でこのほど、「手すき和紙による卒業証書づくり」があった。龍郷町・花ろまん染物工房の安田謙志さん(71)が講師。伝統の技法を学びながら、オリジナルの卒業証書を作った。
卒業証書作りは、20年以上前から続く同校の恒例イベント。6年生の二人は卒業証書を、2~5年生は、はがきを親子で作った。
和紙の材料には白く仕上がる楮(コウゾ)を使用。二人は水で溶いた楮を型枠の網でゆっくりすくうなど慎重に作業。乾燥用の板のしわが出来ないように移して、水分を丁寧に何度も拭き取った。
はがき組の児童たちも、はがき大の和紙を手すきで作り、色とりどりの折り紙を星型や蝶チョウの形にしてデコレーションし完成させた。
安田さんは「卒業証書を紙すきで作ることは記念になると思う。自分もうれしい。世界自然遺産に登録された奄美の自然の物を使って作れる素晴らしさを伝えたい」と話した。
6年生の國副啓太くん、鈴木心紘くんは千葉県から今年度転入。紙すきは二人とも初体験。國副くんは「均等にするために腕の力をかなり使った。卒業証書を自分で作るなんて思ってなくうれしい。卒業することを実感」、鈴木くんは、「母と協力して出来たので楽しかった。もう卒業かと思って、少し寂しくなった」とそれぞれ話した。