漂着ゴミ軽石に混入

家族連れなどボランティア約200人が参加した「金見海岸清掃会」=27日、徳之島町

おびただしい漂着ゴミが軽石にまみれ〝二重苦〟の景観をさらしていた金見海岸=今月中旬

〝二重苦の景観〟を美化
徳之島町「金見海岸清掃会」

 
 【徳之島】徳之島の北東部一帯の「金見(かなみ)海岸清掃会」(NPO法人徳之島虹の会主催)が27日あった。家族連れなど延べ約200人のボランティアが協力。季節風と潮流で漂着したおびただしい量の外国産ペットボトルなど漂着ゴミが、火山由来の軽石にまみれた光景を確認しつつ、地道な回収作業に力を合わせた。

 昨年に続き対象としたのは徳之島町金見崎海岸―長浜海岸にかけた延長約4㌔。美しい海浜環境にウミガメやオカヤドカリ(国天然記念物)の大群の〝一斉産卵〟地なども含まれる奄美群島国立公園指定地域。世界自然遺産の島」を構成する重要なエリアともなっている。

 だが、冬季になると北東寄りの季節風にのって外国産ペットボトルを中心に大量のゴミが絶え間なく漂着。そこに今季は、小笠原諸島の海底火山(福徳岡ノ場)由来とみられる軽石が押し寄せて白砂を覆い堆積。一部の漂着ゴミは軽石に埋もれ混入するなど〝二重苦〟の景観をさらしていた。

 清掃会は午前10時―午後4時ごろにかけてあり、ボランティアたちは個々の都合のいい時間帯に自由参加。久々に広がったすがすがしい青空の下、ゴミ袋を手に地道に漂着ゴミ拾い集めた。漁網や浮きなど大型の漂着物の回収は行政など関係機関・団体側も協力した。

 漁具などのその総量は4㌧トラック4台分、ペットボトルは中国産の清涼飲料水関係を中心に「ボランティアごみ袋」(50㍑)の計約600袋分相当にものぼった。

 小学生の娘と2人で参加していた同町亀津の会社員永岡十郎さん(50)は「徳之島の自然が好きで探索や見学会に参加。この海岸清掃会は昨年に続き2度目。船上から投棄しているのだろうか、ペットボトルの多さには驚いた」。

 虹の会の美延睦美事務局長は「参加いただいたことは、島を愛する気持ちの表れと思う」と感謝。「自然由来の軽石は仕方ないが、マイクロプラスチックなどは世界的問題。海洋生物だけでなく、いずれは人間の体に戻ってくると言われている。海洋汚染の現状を見ていただき、日々の暮らしの中でゴミ問題を考えていただくのもねらいです」と話した。