県議会一般質問

「重大な懸念認められず」 小児ワクチン接種安全性で答弁
個別避難計画作成 モデルプラン提示などで促進

 3月定例県議会は1日から一般質問に入り、同日は東清剛議員=無所属、日置市区=、平良行雄議員=共産党、鹿児島市・鹿児島郡区=、田畑浩一郎議員=自民党、南九州市区=、小幡興太郎議員=自民党、出水市区=が登壇。新型コロナウイルス感染症対策で5~11歳の小児へのワクチン接種について「現時点で得られた情報から安全性に重大な懸念が認められないと判断されている」との答弁があった。

 谷口浩一くらし保健福祉部長が答弁。小児へのワクチン接種は「国において予防接種法上の特例臨時接種に位置づけ、接種にかかる努力義務規定の運用を除外し接種開始することとした」と説明。県内では鹿児島市と霧島市の一部医療機関で3月1日から接種が開始されているが、「発症予防効果、基礎疾患を有する場合の重症化予防効果が期待される。また、接種後の症状はほとんどが軽症または中等症程度」と報告。小児への接種にあたっては、ワクチン接種によるメリットとデメリットを本人と養育者に十分理解してもらう必要があるとした。

 交互接種の安全性や有効性についての質問もあった。谷口部長は「1、2回目接種と同じワクチンを選ぶ人が多い中、モデルナ製ワクチンの供給割合が高いことから市町村の同ワクチンの予約枠に余裕あると聞いている」とした上で、1、2回目接種と異なるワクチンを用いる交互接種について「抗体価の十分な上昇効果が認められ、接種後7日以降の副反応も安全性の面で許容されていると報告されており、県ではホームページ等で周知を図っている」と述べた。

 妊婦の感染状況と受入体制については、年明け以降2月27日までに保健所から41件の報告が寄せられている。妊娠中の受入体制について谷口部長は分娩まで含めて入院可能な医療機関が6カ所、一定の条件下で分娩前までの入院可能な医療機関が8カ所と説明した。

 トンガ沖の海底噴火による津波避難の質問では、個別避難計画の作成も取り上げられた。同計画は、災害時に自ら避難することが困難な避難行動要支援者について、あらかじめ市町村において避難支援者や避難場所を具体的に定めるもの。答弁した橋口秀仁危機管理防災局長は「県では市町村の個別避難計画策定を促進するためモデルプランを提示するとともに、避難行動要支援者に関する取り組み事例を紹介し、地域の特性や実情を踏まえた取り組みが行われるよう助言している」と述べた。

 今回、奄美群島に発令された津波警報ではなく、津波注意報が発令された場合の避難について橋口局長は内閣府のガイドライン(避難情報)を説明。海岸堤防の海側にいる「漁業者や港湾工事従事者、海岸堤防のない地盤の低い地域を対象に津波注意報が発令された段階で避難指示を発令することになっている」と説明し、一部の市町村では今回の津波で対応が図られたとした。