県議会一般質問

光ファイバー全市町村完了見込み
空き家対策 連携協設置し専門家派遣

3月定例県議会は4日、引き続き一般質問(最終)があり、米丸麻希子議員=自民党、姶良市区=、小園成美議員=自民党、指宿市区=、寿肇議員=自民党、大島郡区=、日高滋議員=自民党、西之表市・熊毛郡区=が登壇。寿議員が取り上げたデジタル化推進で地域格差の認識と取り組みについて、格差改善に向けハード面では光ファイバー整備が進められており、「今年度中に全ての市町村で完了する」との見通しが示された。

前田洋一総合政策部長の答弁によると、2020年の総務省の調査により鹿児島県のインターネット利用者の割合は78・3%。全国で最も高い神奈川県の89・7%と比較すると10ポイント以上の格差が生じている。この要因について前田部長は「本県は離島、中山間地域が多く情報通信環境の整備は途上にあることや、スマートフォンなど利用率が低い高齢者の割合が大きいことが考えられる」と説明。

格差改善に向けて前田部長は「ハード、ソフト両面の取り組みを進める必要がある」と強調。光ファイバー整備のほか、通信事業者と連携した高齢者などが身近な場所でデジタル機器、サービスの利用方法をわかりやすく学ぶ講座を開催しているとした。

空き家対策では、国の特別措置法において「適切な管理が行われていない空き家所有者の指導・助言などを市町村が行う」とされている。その一方で、対策に取り組む市町村において危険な空き家などの所有者の特定や除去に向けた手続き、空き家の活用にかかる技術者不足が課題となっている。

兒島優一土木部長は答弁で「県では国、県、市町村および法律や不動産などの専門家で構成する『鹿児島県空き家対策連携協議会』を設置、市町村に対し弁護士や司法書士、建築士など専門家を派遣し市町村の空き家対策を支援している」と説明。20年度における市町村の取り組み実績が報告され、法に基づく指導・助言件数が23市町で1013件、そのうち改善件数が21市町で405件となった。また、市町村の助成制度を活用し26市町で701件の除去があり、9市町で改修により234件の空き家活用がなされているとした。

昨年3月閣議決定された国の住生活基本計画を踏まえ、社会情勢などの変化に対応するため県住生活基本計画の見直しが行われている。高齢者や障がい者、外国人など住宅確保要配慮者の居住に関しては高齢化の進行、高齢単身世帯の増加が見込まれる中、民間賃貸住宅への入居を拒まれるなどが課題となっている。

兒島部長は「高齢者など住宅確保要配慮者の居住支援や居住の安定確保を図るため、国、県、市町村および不動産関係団体や居住支援に取り組む団体等で構成する『鹿児島県居住支援協議会』を設置している」と説明。同協議会では県民の意識醸成のためのシンポジウム、住居に関する相談体制の整備、住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティーネット住宅の登録促進、不動産向けの研修会などを実施している。