対戦相手が決まり表情を崩す選手たち
3月18日開幕の第94回選抜高校野球大会(2022年春)に出場校する大島高校野球部の初戦の相手が決まった。大島は大会5日目第2試合に登場し、関東地区代表の明秀日立(茨城)と対戦する。これを受けて地元関係者や市民からは「一戦必勝で頑張れ」「相手に不足はない」といったエールの声が寄せられている。
県立大島高校安陵同窓会の丸田卯禮男会長(82)は「すごい相手だと聞いている。相手に不足はなく選手には伸び伸びと思い切りプレーし、島のスットゴレ精神を全国に見せつけてほしい」と激励。「大会も迫り応援体制も決まってきている。当日は大勢の同胞が駆けつける。(選手には)思う存分力を発揮できるよう準備に集中してほしい」と話した。
歴代野球部OBでつくる安陵球児会の前里佐喜二郎会長(67)は「強い相手だが、こちらも九州2位。力のあるところ、エンジョイベースボールの精神を甲子園でも魅せてほしい」と叱咤。「徳島県池田高校のかつての監督・蔦さんは、野球は強いチームが勝つのではない。勝ったチームが強いのだと言った。甲子園には魔物もいれば、野球には女神もいる。臆することなくいつもの野球を楽しんできてほしい」とエールを送った。
大島高校野球部OBで、2007年に鹿児島県の派遣審判員として、夏の甲子園大会に参加、4試合で塁審を務めた経験もある奄美市総務部長の三原裕樹さん(59)は「甲子園に出場するチームはどこも実力のある強豪校ばかり。相手は前評判も高く、打撃力のあるチームのようだが、自分たちの持ち味をすべて出し切り、甲子園の舞台を思いっきり楽しんでほしい。初戦はぜひ、球場に行って、全力で選手たちを応援したい」と話した。
抽選結果は2014年の21世紀枠と同じ大会5日目。当時同部の主将を務めた重原龍成さん(25)は「相手は関東チャンピオン、力を試すには不足のない相手。強く厳しい戦いになるが、勝ち進んでこそチームは強くなれる」と激励。相手は大会屈指のパワー打線で「大島の投手力、守備力が問われてくる。初出場で緊張もすると思うが、まずはワンストライク、1スイングといった緊張を取り除く方法など、試合ですぐに力が発揮できるよう事前に備えておいてほしい」とアドバイスした。
奄美市名瀬の(株)三洋スポーツでは、対戦相手が決まる直前に大島高校野球部を目指すという中学3年生2人が訪れていたという。泉松雄代表は「大島高校野球部はすでに多くの子どもたちが憧れる存在で、みんなの希望。何が何でも初戦突破。一戦必勝で頑張ってほしい」とチームの活躍を願った。
現地での応援を決め、日程が決まってすぐ試合前日の飛行機チケットを予約したという、とみのや呉服店の富明美店長は九州大会にも足を運んだという大の高校野球フリーク。「相手はどこでもよかった。今の大島は実力もそ備え、粘り強さは日本一」。雨の日の抽選に「大島は雨イメージ。いい予感しかない」という富店長は「帰りのチケットは買っていない。球場で勇姿を焼きつけてきたい」と力を込めた。
同市名瀬在住の泉寿久さん(68)は「大島高校野球部の活躍は今一番の楽しみ。頑張れ」と声援。同・榮祥子さん(41)は「選手の悔いが残らないよう、力いっぱい戦ってきてほしい」と元気づけた。