マングース4年間捕獲ゼロ

オンラインでのマングース防除事業検討会

「根絶宣言」23年度目指す
「防除記録集」作成

2021年度奄美大島マングース防除事業検討会が4日、オンラインで開かれた。今年度の防除実施の状況と、新年度の事業計画を協議。環境省(奄美群島国立公園管理事務所)は、4年間マングースの生息は確認されていないとし、23年度までに根絶宣言を目指す方針。また、根絶に至る「防除事業の記録集」を25年度までに完成・公表するとした。

マングースは、18年4月の捕獲を最後に、22年1月現在まで約4年間捕獲はない。今年度の報告によると、①わなでの捕獲②犬による探索③目撃情報(11件)―などからは、いずれも生息の確認はされていない。

また、マングースに生態系を影響される在来生物のモニタリング結果として、①アマミノクロウサギとアマミヤマシギの増加が著しい②アマミトゲネズミとケナガネズミの分布が広範囲に及んでいる―とした。

一方、「マングースの減少と在来生物数の回復の因果関係は、更なるデータ蓄積と整理が必要」との提言も出た。

22年度の事業計画として、▽過去からのモニタリング調査のデータから「マングース根絶確率算出モデル」の構築▽10年以上にわたる防除事業の総括としての「記録集」の作成準備―などを挙げた。

環境省(同)の阿部愼太郎所長は「(5か年計画が始まっているが)5年を待たずに根絶宣言が現実味を増している。今後も気を引き締め取り組みたい」と総括した。