「新さつま島美人プロジェクト」が始動

「新さつま島美人プロジェクト」の概要について説明する德重代表(右上)

鹿児島U 3者連携で地域課題解決を

 【鹿児島】新プロジェクトで地域の課題解決を! サッカーJ3の鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)は長島研醸(長山正盛・代表取締役社長)、喜入中名地域コミュニティー協議会(福里廣会長)と3者連携による「新さつま島美人プロジェクト」を立ち上げた。7日は鹿児島Uの德重代表、長山社長、福里会長がオンラインで会見し、プロジェクトの概要などを説明した。

 昨年10月、鹿児島市喜入に鹿児島Uの専用練習場が稼働して以降、鹿児島Uと協議会とで定期的に会談。地域の課題解決にプロチームとして貢献できることがないか協議を重ねていた。中名地域が抱えている大きな課題は「高齢化が進み、後継者不足で耕作放棄地が増えていること」(福里会長)。地域内の農地約3分の1が耕作放棄地になっている現状を解決すべく、プロジェクトが立ち上がった。

 放棄地のうち約1200平方㍍を活用し、焼酎原料用のサツマイモを栽培。できた芋は鹿児島Uのオフィシャルトップパートナーである長島研醸が買い取り、オリジナルの「さつま島美人」を製造・販売する。

 サツマイモの基腐病被害が深刻な鹿児島に、明るい話題を創出する意義もあり、3者で連携しそれぞれの課題解決に取り組むことで「地域の活性化」(德重代表)を目指す。

 4月下旬から5月にかけて種植えし、10月に収穫して焼酎の製造を開始。「まろやかな飲み頃の焼酎が出来上がる」(長山社長)約1年後から新ブランド焼酎を発売する予定だ。

 「種植えや収穫にはトップチームの選手、スタッフも参加し、地域の人たちと交流を深めたい」と德重代表。福里会長は「地域住民一体で鹿児島Uを応援するきっかけになる。出来上がった焼酎で乾杯するのが楽しみ」と期待していた。

(政純一郎)