堀晃回顧展、始まる

故・堀晃氏の回顧展。「ひかるさんの世界を感じて」と妻・茂美さん

奄美ゆかりの画家「ひかるさんの世界を感じて」 16日まで

【鹿児島】奄美にゆかりのある画家・堀晃(ひかる)氏の回顧展が8日から鹿児島市のマルヤガーデンズ4階のユナイトメントガーデンで始まった。

堀氏は1952年、山口県下関市出身で広島大卒業後、9年間の教員生活を経て画業に専心。海や空、月など自然を題材にした作品を多く描いた。

00年にキャンピングカーでの日本一周旅に出かけた際、最初に訪れた奄美、加計呂麻島の「自然に魅せられた」と妻の茂美さん。「ヘゴを見ただけでも、本土と違う場所に来たことが実感できる」と自然や人、奄美の風土に大きな衝撃を受けた。

05年から嘉徳小学校跡にアトリエを構え、以来下関と往復しながら創作活動を続けた。地元の人たちとも深く交流し、地域の芸術文化活動にも貢献したとし、16年には瀬戸内町の文化功労賞を受賞した。

19年1月1日に亡くなり、丸3年が過ぎて、かつて親交のあった加計呂麻で民宿を営む行村光子さんら、地元住民ら有志が回顧展を企画。奄美で制作された作品を含む絵画20点、リトグラフ15点を展示している。茂美さんは「見たこと、感じたことから自由に想像していろんな作品を世に出していました。ひかるさんの世界をぜひ多くの人に感じて欲しい」と話していた。

回顧展は16日まで。なお同会場では「芸術家が愛した奄美~瀬戸内町・加計呂麻島」と題して写真家・館野二朗氏の写真展「島の輝き」も同時開催されている。12、13日には喜界町出身の唄者・永志保さんによるシマ唄ライブも企画されている。