女性消防吏員配置 5年間で18人増加

初の誕生となった女性消防吏員が1人配置されている大島地区消防組合消防本部

大島地区消防本部でも初めて
消防団員 処遇改善へ条例改正

 県内の女性消防吏員は、2021年4月1日現在9消防本部に31人が在籍しており、5年前に比べ18人増加していることがわかった。大島地区消防組合消防本部にも21年度に初の女性消防吏員が誕生(1人配置)しており、県内の消防本部では採用に向けた取り組みが進められている。

 県議会一般質問答弁で橋口秀仁・危機管理防災局長が明らかにした。橋口局長によると、国は2015年度から消防本部における女性消防吏員のさらなる活躍に向けた取り組みを推進。県内の消防本部でも採用条件の見直しや職員体験会の開催、女性専用のトイレや更衣室等の整備など女性消防吏員の採用に向けた取り組みが進められている。県では採用を促進するため、消防本部に対し内外における効果的な取り組み事例や施設整備に関する支援制度などの情報提供をしている。

 地域における防災の要となっているのが消防団員。県内の消防団員で20年度中の入団者数は684人、退団者数は867人。入団を上回る退団者が出ている。こうした状況から21年4月中の団員数は前年比183人減の1万4938人となり、平均年齢45・4歳となっている。

 減少が続く中、団員確保に向けては処遇改善が課題。国は20年4月に公務災害補償の基礎額引き上げ、消防団マイカー共済の創設などに着手したほか、消防団員の処遇改善では昨年4月に年額報酬や出動報酬の基準を策定し、市町村に対し必要な条例改正や予算措置を講じるよう要請を行っている。これを受け県では市町村に対し、条例改正の留意点などについて必要な助言を実施、各市町村は今年4月の施行に向けて関係条例の改正に取り組んでおり、新年度から消防団員の処遇改善が進む見通し。こうした見直しで団員確保につながるか注目されそう。