東京五輪代表・南出がトップ

アジア競技大会代表選考で競り合う選手たち=11日、徳之島町山漁港
アジア大会代表候補の後列左から森山、南出、野中の3選手。地元のちびっ子らと

アジア大会代表選考レース
徳之島で初合宿、OWSナショナルチーム

【徳之島】日本水泳連盟のオープンウォータースイミングナショナルチームの合宿を兼ねた第19回アジア競技大会代表選考会が11日、徳之島町山(さん)漁港沖合の10㌔コースであった。「トライアスロンの島」として知られるが、〝マラソンスイム〟とも称されるOWSレースは初。元東京五輪代表ら男女15人が競い合った。地元は、合宿や大会の定着にも期待してエールを送った。

オープンウォータースイミング(OWS)は海や川・湖などの自然の水の中で行う長距離水泳競技。水質や天候、潮汐など自然条件に対応する技術や知識も求められる。世界選手権では1991年パース大会から、夏季オリンピックでは2008年北京大会から正式競技となった。

同ナショナルチーム一行は10日から徳之島初合宿入り。東京五輪・22年世界選手権代表の南出大伸選手(25)=木下グループ=をはじめ各国際大会の日本代表選手ら15人。日本水泳連盟の原怜来OWS委員長や藤森善弘ヘッドコーチらスタッフ10人が同行。天城町を宿舎に山漁港で強化練習も積み12日まで滞在予定だ。

選考レース直前の歓迎セレモニーでは、徳之島町の幸野善治副町長があいさつを述べ、町当局や旬のバレイショやタンカンなど特産品も手渡して一行を激励。地元関係者らは合宿の定着に期待を寄せた。

選考レースは沖合の4か所に仮設したブイ周回1㌔を自由形で10周する方式であった。ウエットスーツにゴーグルをつけた選手らは、スタート直後の激しい競り合いで青い海に白い軌跡を残し、2時間以上に及ぶ耐久レースにしのぎを削り合った。

アジア競技大会(9月23~24日、中国・杭州)代表候補の座を勝ち取ったのは、トップでフィニッシュした南出選手=2時間10分0秒と2位の田中大暉選手(25、木下グループ)=2時間10分21秒=の男子2人。1枠の女子は森山幸美選手(25、SWANS)=2時間15分20秒=が獲得。正式決定は日本オリンピック委員会(JOC)に委ねる。

南出選手は、同島の印象に「非常にきれい。こんなところで合宿が継続できたらいい」。アジア大会に向けては「大学時代に優勝経験があり、その時を思い出して優勝を目指したい」と話した。

また、初合宿の誘致に貢献したスタッフの漆畑大海さんは、徳之島合宿の定着とともに、今年11月ごろには徳之島での新規大会の開催も模索するという。