応援大使・田中完氏が講話

龍郷町職員を前に「色とりどりのシマ~龍郷町~」をテーマに講話した田中完氏(右奥)

「心の故郷、龍郷町」模索を
職員研修会、焼酎文化生かした地域づくりも

昨年3月末に龍郷町の「たつGO!応援大使」第1号に就任した田中完氏(前県大島支庁長、現在は鹿児島県酒造組合専務理事)を講師に迎え、龍郷町職員研修会が11日、役場会議室で開かれた。「色とりどりのシマ~龍郷町~」をテーマに講話した田中氏は「コロナの時代において、今まさに人々は(生まれた故郷のことではなく)自分の故郷を見つけ出そうとしている。豊かな自然と、安心を与えてくれる人々とのつながりが新しい基準になるという考えは、龍郷町がその地域資源やコミュニティを生かして魅力ある地域になっていくヒントになると思う。町の魅力を自然とコミュニティの両方の観点から考え、『心の故郷、龍郷町』に結びつけられるといいのではないか。それを模索してほしい」と指摘した。

職員ら30人以上が聴講した。

田中氏は、Withコロナ時代における龍郷町に期待することに関して、▽新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、人生観、価値観、時代のニーズが大きく変わってきている▽東京一極集中が変わり、奄美にとってもチャンス。地方の中の競争は始まっている。大いに情報収集して先取りしていくという気構えでやってほしい▽毎日毎日を大事にしながらも10年、20年先を見据えていくことが大事だ。自分なりのシナリオを描き、その土地のデザイン思考が大事になる。龍郷にもいろいろなデザインをする人々がおり、その力も借りながら進めてほしい▽立ち止まって考えながらスケッチすることも大事。地に足を付けて龍郷とはどういう所か見詰めながら、アンテナを張って対応してほしい―などと助言した。

「焼酎文化を生かした地域づくり」について、▽県内には112の焼酎の蔵元があり、奄美には26の黒糖焼酎の蔵元がある。焼酎は、その土地の食材と、その土地の微生物とが組み合わさったオリジナルのもの。その土地の文化的財産であり、その土地を訪れてもらう価値のある宝▽鹿児島の焼酎の特色は、多様性であり、多様性が大事なのではないか―と述べた。

終了後、「龍郷町の好きなところ、人、あるいは誇れるところ」に関し、参加した職員の話を聞いたり、意見交換した。