菊次郎翁の生涯、功績堂々表現

菊次郎翁は台湾宜蘭川の洪水を防止するために堤防造成を計画、実現。宜蘭の有志が感謝し石碑を設置して顕彰したという。堤防造成の場面を表現。青年期の菊次郎役を演じた要田ののかさん(左下)


9歳のときに鹿児島の西郷家に引き取られ、剣の指導を受ける菊次郎(前列中央)を表現。少年期の菊次郎役を演じた栄隼平くん


舞台いっぱいに躍動感あふれるダンスを繰り広げた大島高校ダンス部メンバー

龍郷町青少年ミュージカル 出演者総勢45人が熱演
「素晴らしかった」「感動した」
親族4人が来島、鑑賞

 「7カ月延期されたミュージカルが本番迎え、感動の舞台」―。昨年8月に開催予定だった西郷菊次郎翁生誕160周年記念事業・龍郷町青少年ミュージカル「KIKUJIRO」の振替公演初日が12日夜、町体育文化センターりゅうゆう館文化ホールで開幕した。応募した出演者22人(小・中・高校生)、大島高校ダンス部メンバー20人、劇団ニライスタジオメンバーら3人の総勢45人が出演し、龍郷生まれで名誉町民の菊次郎翁の生涯、功績を堂々と舞台で表現、躍動した。観客席では、町民らのほか、菊次郎翁の親族4人も来島、鑑賞した。終了後、観客からは「素晴らしかった」「感動した」との感想が多く聞かれた。最終日の13日は昼公演が行われた。

 龍郷町青少年ミュージカル実行委員会(実行委員長・碇山和宏教育長、事務局・町教育委員会)主催。出演希望者を募り、1昨年6月から稽古が始動した。脚本・演出・音楽制作を依頼した松永太郎さん、振付師の岩澤剣司さんが来島して指導に当たった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で稽古や自主練習が中止になることがあったほか、昨年8月中旬に計画していた公演が延期を余儀なくされた。

 この日の振替公演初日は、観客を客席定員の半分に制限し、コロナ感染防止対策を講じて開催した。

 舞台の幕が上がり、▽西郷隆盛翁の潜居時代、愛加那との出会いと結婚、長男・菊次郎誕生、幼少期▽薩摩藩の圧政時代(黒糖地獄)▽9歳のときに鹿児島の西郷家に引き取られる▽西南戦争に従軍、右足の膝下切断▽台湾宜蘭庁の初代庁長に就任、宜蘭川の堤防造成に着手―などの場面が次々と演じられた。

 出演メンバー総勢45人が次々と登場し、ダンス、歌、セリフ、演技を披露した。

 父・隆盛翁の「敬天愛人」の精神を具現化したといわれる菊次郎翁の生涯、足跡を躍動感あふれる舞台で表現した。

 午後6時すぎに開幕した舞台は、9時すぎに閉幕した。

 出演者を代表して愛加那・イト役を演じた隈元莉緒奈さん(大島高校3年)が観客にお礼を述べた。

 要田朝陽くん(赤徳小学校2年)は「昔のいろんなことが分かってすごく楽しかった」と感想を話した。