産まれたばかりのルリカケスのヒナと、威嚇する親ルリカケス
名瀬西仲勝「小屋は絶好のすみか」
納=おさめ=政義さん(65・奄美市名瀬西仲勝)の駐車小屋に9日、ルリカケスの4匹のヒナが誕生した。産まれたばかりのヒナは体長約5㌢、体毛はなくまだ目も開いてない。それでも大きく口をあけ、必死に親鳥にエサをねだる姿が微笑ましい。
納さんが小屋の上部にルリカケスの巣を見つけたのが6年前。屋根の張り替えをしたときに、木の枝でできた直径約20㌢の鳥の巣を発見。後にルリカケスの巣とわかった。
納さんの家は、背後に樹々の茂った山がそびえた自然豊かな場所。周りには民家も数軒しかなく、「ルリカケスにとっては絶好のすみかかも」と納さん。「普段はおとなしい親ルリカケスだが、ヒナが産まれてからは威嚇がすごい」と笑う。
巣を発見してから6年の間、ヒナがかえったのは初めてだという。奄美野鳥の会『奄美の野鳥図鑑』によると、ルリカケスは一度に3~5個の卵を産み、近年は人家の軒先や倉庫など人工物に営巣する例もあるという。
ルリカケスは奄美の固有種で国の天然記念物。瑠璃色と赤褐色の鮮やかな体毛が特徴の希少種。2000年代から個体数は増加傾向で、08年に絶滅危惧種から外されている。