議員らが外来種駆除

環境庁職員の協力のもと湯湾岳展望公園の外来植物の駆除作業を実施した

除草されたアメリカハマグルマ

湯湾岳展望公園 アメリカハマグルマなど
宇検村

 宇検村は16日、議会議員、村職員による湯湾岳展望公園内の外来植物の視察、駆除作業を環境省(奄美群島国立公園管理事務所)の協力のもと実施した。今年1月に、アメリカハマグルマなど外来種が同公園で繁殖していると同省、同村に通報があり、議会事務局で検討の上、杉浦治俊議長以下議員7人が参加。村職員3人、省職員3人含む計13人による視察を兼ねた駆除作業が行われた。

 アメリカハマグルマはキク科の多年性植物。1970年代に緑葉化目的で沖縄諸島各地に導入されたが、繁殖力が強く在来種の生育に影響を与えるため、緊急対策外来種に選定されている。

 作業に当たり、同省職員による奄美大島における外来種全般の影響が説明され、アメリカハマグルマの他、特定外来生物のツルヒヨドリの分布状況を報告。完全駆除は難しいことを踏まえ、優先順位を付けた段階的な対応が必要など説明をした。

 作業は、同公園駐車場奥の登山道入り口付近に繁殖していたアメリカハマグルマの駆除を実施。刈り取りの場合、根茎が残り再生、繁殖してしまうことを踏まえ、抜き取り作業が慎重に進められた。

 参加した壽山新太郎議員は「観光振興に力を入れており、個人的に大和村の施設に半年くらい前に外来種に関する視察に行った。改めて今回の視察、作業を踏まえ、地元集落の子ども会などの団体による駆除作業に取り組んでいければ」と語った。

 同事務所の阿部愼太郎所長は「外来種はきちんと管理さえすれば人間にとっては有用な植物。しかし放置した結果、自然に大きな影響を与えかねない。湯湾岳は奄美群島国立公園の核心地域で、極力外来種が生息していない状態を維持すべき」と語った。