センバツ初戦両監督対談

 

明秀日立・金沢監督「先制点をとりたい」
大島・塗木監督「1つめをしっかりと」

第94回選抜高校野球大会(センバツ)は18日、開会式が予定されていたが雨のため順延となった。大会第5日第2試合で組まれていた大島と明秀日立(茨城)戦も23日に順延となった。

9日に関西入りした大島は15日まで練習試合を続け、初戦に向けて調整を続けている。対戦相手の明秀日立は「総合力の高いチーム」と塗木哲哉監督。エース大野の調子が安定しているのは好材料だが、打撃陣が「強豪校クラスをなかなか打てていない」なかでいかに点をとっていくか。これから初戦までの調整がポイントになりそうだ。

明秀日立・金沢成奉監督=写真右=、大島・塗木監督=写真左=がオンラインで会見し、初戦に向けての意気込みなどを語った。

―相手の印象は?

 金沢 離島の学校ということで、島民の後押しを一手に受け、鹿児島大会、九州大会を勝ち抜いた。大野君を中心に、チームワークのとれた高校生らしい良いチーム。波に乗せると怖い。その原動力はエースの大野君なので、大野君からどう点を取っていくかが、試合を大きく分ける。打者としての大野君も力があり、3、4、5番は振れている印象がある。この4人をどう抑えるか、我々の守備面のカギになる。

 塗木 総合力が高い。打撃のチームといわれているが、自分の印象では投手を中心にした守り、特に外野の守備がとても良い。守備ではエースの猪俣君、攻撃では中堅手の佐藤君をキープレーヤーとみている。猪俣君は角度のあるボールがあり、変化球は手元で変化するので打ちにくい。マウンドでも堂々として大崩れしないので、点数を取るのがなかなか難しいだろう。

―今のチーム状態は?

 金沢 調整不足は否めないが、日に日に状態は上がっている。試合までまだ日があり、試合当日には良くなっている手応えは感じている。エースの猪俣の調子がなかなか上がってこなかったが、先日の試合では少し復調したのを感じた。打撃陣が約2週間打ち込めていなかったので、打者の状態を上げていくのに時間がかかっている。

 塗木 9日に関西入りし、15日までいくつかのチームと練習試合をした。球速130㌔以下の投手は打てていたが、強豪校のエースクラスになってくるとなかなか打てず点数がとれなかった。

―自分のチームで勝負のカギを握るのは?

 金沢 守備面ではエースの猪俣が本来の力を出せるかということ。攻撃面では3番・石川と4番・武田、この2人が機能した時は今まで負けたことがない。武田の状態が少し遅れているのでそこが上がってくるかがポイントになってくる。

 塗木 攻撃、守備共に4番で捕手の西田。4番で打点を稼げる選手なので、彼がしっかり走者を返す打撃ができるかどうか。守りの要であり、大野の力を引き出しつつ、守備に対してどのような声掛けをして、ポジショニングをどうとるかの判断という面でも大きな役割を担っている。大野の調子は悪くなく、安定している。

―理想の試合展開は?

 金沢 先取点をとれるかどうかが大事になる。好投手は中盤から後半にかけて良くなってくるタイプが多いので、いかに立ち上がりや序盤に自分たちの理想にしているかたちに近づけるか。4点ぐらいはとりたいが、点がとり切れずロースコアの展開になることも予想されるので、少ない点差を守り勝てる準備もしている。

 塗木 うちが勝つとすれば5―3の展開。5点はとらないと勝つのは難しい。守備の乱れなども含めてイニングで1失点、計3失点するぐらいの可能性はある。5点とれるかどうかがカギになってくる。下手すると0―3で完封負けするかもしれない。5点とるのは現時点ではかなり難しいが、これから試合までの調整期間でどれだけ対応できるようになるか。個々の意識と取り組み、打席に入る前に考えて、打席でいかに振り切れるかどうかがポイントになる。守備のポイントは、しっかり投げて、狙ったところに打たせるかだと思う。

―初戦への意気込みを。

 金沢 コロナでも甲子園でやれる状況になってきたので、自分たちのやれることをまずはしっかりやっていきたい。この状況で野球をやれる喜びをかみしめながら、1試合でも多く、1分でも長く、甲子園で野球を披露したい。

 塗木 大事な初戦なので、打者はファーストストライクを打てっていけるか、投手はファーストストライクをとれるか、野手はファーストアウトをとれるか、1つめをしっかりできるようにする。勝ち負けは、そういうことはしっかりできれば結果としてついてくる。まずは自分たちが楽しんでプレーできるかが課題と考えている。