徳之島―鹿児島線就航60周年

徳之島―鹿児島就航60周年に感謝し、搭乗客に特産品のプレゼントも=21日、徳之島空港

 

 

就航60周年セレモニー(くす玉開き)を行う関係者

 

 

セレモニーで感謝をアピール
JALと徳之島空港利用促進協

 

 

 【徳之島】「徳之島―鹿児島線就航60周年記念セレモニー」(日本航空グループ・㈱ジェイエアおよび徳之島空港利用促進協議会主催)が21日午前、徳之島空港であった。航空会社の変遷など歩みをふり返りつつ〝還暦〟の節目を祝し、島民の生活路線の維持と世界自然遺産登録を生かした観光振興など飛躍に期待を寄せた。

 徳之島空港(天城町)―鹿児島空港間は1962(昭和37)年2月に当時の▽東亜航空の旅客用航空機(ヘロン機・15席)が初就航。その後▽東亜国内航空(YS‐11機、80年6月1日のジェット化でDC9)▽日本エアシステム(MD81、87機)▽2010年4月、日本エアコミューターに路線移管(Q400機)▽17年10月からジェイエア(J‐AIR)がエンブラエル70機を就航。そして現在は、同社の同機(76人乗り)が3往復、日本エアコミューターのATR42‐600(48人乗り)が1往復、計4往復のダイヤとなっている。

 日本航空(JAL)鹿児島支店奄美営業所の関係者によると、東亜航空時代の搭乗実績は断片的資料しかないため60年間の正確な搭乗実績は不明。04年4月のJALとJAS(日本エアシステム)の完全統合(JAL便名で運航)以降、今年1月までの実績は約205万人となっている。

 記念セレモニーには関係機関・団体の代表ら約30人が参加。世界自然遺産登録の「祝意」を表した特別塗装の午前9時50分の到着便に合わせて徳之島空港出発ロビーであった。

 ㈱ジェイエアの宍倉幸雄代表取締役社長(58)はあいさつで、航空会社名の変更など60年間の変遷や苦難も乗り越えた利用に感謝し、「このコロナ禍の苦難を乗り越え、新しい世界自然遺産を世界に広げる取り組みを皆さんとできることに誇りを感じ、感謝の気持ちで取り組みたい」。

 また、同空港利用促進協の森田弘光天城町長は「60周年は人間に例えると〝還暦〟であり新しい出発。夢を乗せて子や孫への新たな60年間へ。世界自然遺産への観光客の皆さんには夢乗せて来島する路線に」などと期待を寄せた。

 関係機関代表らでくす玉を開き、ほぼ満席の鹿児島上り便の搭乗客たちには特産品もプレゼント。空港常備の消防車両2台による放水アーチで便を見送った。