会場の甲子園駅には試合開始2時間前の午前9時半には続々と大高グリーンのジャンパー姿の卒業生らが集まり始めた。「25回」のプラカードを持って集合する先輩たち
塗木哲哉監督に率いられ、凛々しい表情で会場入りする選手ら
試合直前、アルプススタンド前を訪れた選手らにスタンディングオベーション。声援が響き渡った
“大高グリーン”一色に染まったアルプススタンド。チャンス時にはメガホンをたたく音が鳴り響いた
アルプス席のチケット数が前回の半分になり、外野席にも卒業生らが陣取り、グラウンドに声援を送った。外野席からグリーンが揺れるアルプス席を臨む
厳しい展開の中、教職員や野球部員らも固唾=かたず=を飲んで、試合の流れを見守った
吹奏楽部は選手らに合わせた音楽を奏で選手らを鼓舞。シマ唄のアレンジもあり、スタンドにシマの南風を吹き込んだ
吹奏楽部のシマ唄応援に合わせ、華のあるオリジナルの振り付けでスタンドを沸かせたダンス部
第94回選抜高校野球大会5日目第2試合・大島高校―明秀日立が23日、甲子園球場(兵庫県西宮市)であった。0対8で明秀には及ばなかったものの、アルプススタンドは応援グッズの緑のジャンパーを身に着けた観客らで埋め尽くされ、“大高グリーン”一色に染まった。
新型コロナウイルスまん延防止のために、大声での応援の自粛が求められた異例の観戦環境だったものの、応援は熱狂を極めた。同校吹奏楽部が奏でる「稲すり節」、「イトゥ」などのシマ唄も混ぜた応援曲に合わせ、メガホンをたたく音が響き渡った。
9回表のチャンス時には、ほとんどの観客が立ち上がり応援もヒートアップ。惜しくも得点のないまま試合終了を迎えたが、アルプススタンド前で一列に並び礼をする選手らには健闘への称賛の拍手が送られた。
自身も応援に駆け付けた関西安陵会会長の川上憲二さん(69)は「点数関係なく素晴らしい応援だった。大高出身者だけでなく、みんなで盛り上がることができた。試合の結果より、甲子園で応援させてくれたことに感謝したい」と白熱の応援を振り返る。
アルプス席で熱い思いで試合を見守った、同校32回卒で野球部主将だった若津秀人さん(59)は「強豪相手によく戦った。関東の王者相手に、序盤のミスがなければいいクロス試合だった。天候も難しかった。曇り空はフライが取りにくい。コロナなどで事前練習がなく、初めての甲子園という大舞台でよく頑張ったと思う。試合日が延期したこともあり、調整も難しかったのでは。バッティングを鍛えていくと、もっと伸びていくと思う」とエールを送った。
(西田 元気、屋宮秀美)