故・屋村校長の遺影も応援に

  故屋村校長の笑顔の遺影と一緒に試合の応援をする妻の典子さん

 

 

「向こうできっと喜んでくれている」

 

 

 大島高校野球部が試合に出場したこの日、甲子園の一塁アルプスの来賓席に一枚の遺影を立てかけ、一緒に応援をしていた女性がいた。8年前に21世紀枠で第86回選抜高校野球大会に参加が決まった時の栄誉にあずかった故・屋村優一郎校長の妻・典子さん(67)だった。関西に住む娘と2人で観戦に訪れていた。甲子園に出場した翌年の7年前、3月5日に屋村校長は、亡くなった。

 丸田卯禮男安陵会会長らが席を確保してくれた。遺影は出場が決まった8年前に大会旗を持ち、喜びの笑顔にあふれる屋村校長を撮影した朝日新聞の記者が訃報に接し、「記念に」と典子さんにプレゼントしたもの。「とてもいい写真です」と、にっこり。「本人は、向こうで、きっと喜んでくれていると思います」。娘さんと大高野球部の試合に一喜一憂しながら典子さんは応援を続けていた。
                           (永二優子)