宮古崎トンネルが開通

塩田康一知事ら43人がテープカットやくす玉開きで完成を祝った(根瀬部側)


開通した宮古崎トンネル(大和村国直側)

延長2・3㌔、県内7位 関係者ら式典や祝賀会
観光振興など期待

 県が整備を進めていた奄美市名瀬根瀬部と大和村国直間を結ぶ県道名瀬瀬戸内線「宮古崎トンネル」(約2・9㌔区間)が27日、開通した。塩田康一知事をはじめ、地元国会議員や奄美大島5市町村首長、県市町村議員など関係者43人が出席し安全祈願祭や式典、祝賀会で開通を祝った。着工から4年8カ月、災害に強いトンネルの完成を歓び、観光振興や地域の活性化に期待を寄せた。

 工事は、大和村と奄美市を結ぶ国道58号線の代替ルート整備の一環。急峻な峠越えや急カーブなどの難所を回避し、災害時の輸送路確保や救急搬送の時間短縮、物流促進などの効果を見込んでいる。

 計画は2014年に着手し、17年7月に着工。大和村側から掘削し19年9月に貫通。以降は、道路舗装や電気工事などの作業を進めてきた。

 トンネル延長は2316㍍で、県内7位、奄美大島3位の長さ。道路幅は2車線計6㍍で、片側歩道1・5㍍などを含めた幅員は8・5㍍。トンネル事業費約54億円を含む全体事業費は約80億円で、従来線と比べて走行距離で約2㌔、移動時間にして約5分の短縮が見込める。

 根瀬部側入口で行われた式典では、神事やテープカット、トンネルの通り初めが執り行われた。場所を移した大和村防災センターでは祝賀会を開催。出席者からは祝いの言葉も相次いだ。

 塩田知事は「交流人口の増加も視野に災害に強い道路の整備に取り組んできた。住民の安心安全の確保、観光振興や地域の活性化に期待したい」とあいさつ。安田壮平奄美市長は「島民にも大きな歓び。自治体を越えた交流にも力を入れたい」と話し、伊集院幼大和村長は「待ちに待った日が来た。ありがたさを痛感している」と関係者へ感謝を述べた。

 国道58号線の同路線間では、集中豪雨や台風の影響で10~12年で計7回の通行規制が発生。10年の奄美豪雨災害では4日間にわたって道路が断絶し、住民生活に多大な影響を及ぼしていた。

 同日正午には一般車両も開通。通行を楽しむ多くの車両が見られた。