「徳之島全校制覇ウルトラマラソン・トライアスロン」129㌔を〝走破〟した〝アスリート先生〟久保さん(左)と野元さん=伊仙町ほーらい館前
【徳之島】春の異動シーズンが本格化。徳之島のトライアスロン愛好者ら教職員グループの伊仙町立馬根(ばね)小教頭の久保昌意(まさおき)さん(45)らがこのほど、「徳之島全学校制覇ウルトラマラソン&トライアスロン」に挑戦しラン52㌔、バイク75㌔、スイム2㌔の計129㌔をリベンジ走破。「必ず島に帰って徳之島トライアスロンに再チャレンジしたい」と誓い、思い出の詰まった同島を離れた。
久保さんらアスリート先生は、「2020徳之島トライアスロンIN徳之島」大会がコロナ禍で最初に中止された一昨年の11月、「コロナに負けるな、目指せ、自分史上最高!」を合い言葉に「徳之島一周ウルトラマラソン」を自主企画。久保さんら男女5人が16時間29分をかけて77・2㌔を走破した。
2年連続で21年大会も中止となった今年度は、島内の全小中高計33校を訪れる「徳之島全学校制覇ウルトラマラソン95㌔」を計画した。一昨年のチャレンジ同様、「島の子どもたちに、教師自ら自分の限界に挑むことでチャレンジの大切さを伝える。自分自身に負けたまま終わらない不倒の闘志を育てる」。
また、教師ら自らには「徳之島への感謝の気持ちを込めて一歩一歩踏みしめ、愛すべき徳之島での『自分史上最高』の思い出づくり。トライアスロンへの熱き思いを自らの体で表現する―」など明確な目標を掲げてのチャレンジ。
今回は伊仙小教諭の野元大輔さん(35)と2人で挑んだ。今月11日午前0時ちょうどに徳之島町役場前を出発。交通安全や給水エイドなど「スペシャルサポート」役は犬田布小教諭の北山剛正さん(43)が担った。
ところが、島を反時計回りで走り始めて11時間後の約52㌔地点(天城町立天城小付近)にかけて、足の激痛に襲われてしまう。2人は残りの距離を考えると達成は難しいと判断、無念のリタイヤを余儀されてしまう。だがその後「このまま終わるわけにはいかない…」とのチャレンジ魂が沸々とわき上がる日々が続いた。
足の回復を待った約1週間後の20日午前7時、2人は、伊仙町ほーらい館前(伊仙)をバイクでスタート。銀輪を駆って同町中西部の各校を経て、天城町立西阿木名小中や同小三京分校、1日目に記録写真を撮り忘れた樟南二高まで再北上して折り返し、伊仙町東部の各校を経てほーらい館(75㌔)へゴール。同館プールでのスイム2㌔で締めくくった。
久保さんは「今年で6年。最後にいい思い出ができて満足です。必ず島に帰って本物のトライアスロン大会に再チャレンジしたい」とニッコリ。29日夕の定期船で新任地、薩摩川内市立青少年自然の家に向かった。