新年度予算を活用し早期発注により寄り洲除去が進められている奄美市の大川
治水上緊急性が高い「寄=よ=り洲=す=」(河川への土砂堆積)を除去し、河川のはんらんを未然に防ごうと県は除去を進めている。2022年度は過去最多の箇所数になる見通しだが、集中豪雨などにより災害の危険性がある梅雨入り前までの除去へゼロ県債を活用、早期発注が行われており、奄美の河川では12カ所が対象となっている。
県による寄り洲除去は、県管理河川を対象に12~15年度まで進められた。流下能力や背後地の状況などを勘案しながら計画、河川の流下断面に対し、土砂が堆積している面積割合が20%以上の寄り洲を集中的に除去。大島支庁管内では4カ年度で13河川、約4万365立方㍍の土砂が除去された。
現在の取り組みは、19年の台風19号で全国的に大規模な浸水被害が相次いだことを受け、国が20年に創設した地方債「緊急浚渫=しゅんせつ=推進事業債」を活用し進められている。19年度は115カ所で実施されたが、20、21年度は約190カ所に増加。22年度はさらに上回る計画で、22年度当初予算で16億円を計上、「河川のはんらんを未然に防止するため、着実に寄り洲の除去を行う」としている。
新年度に計画している対象河川のうち、新年度予算を前倒しする形で21年度に発注、除去工事が進められている河川もある。県河川課によると、奄美では15カ所程度で予定されているが、ゼロ県債で既に発注されているのが12カ所の河川。市町村別は奄美市2カ所(知名瀬川、大川)、大和村同(大和川、名音川)、瀬戸内町同(阿木名川、勝浦川)、徳之島町同(下田川、万田川)、天城町1カ所(南川)、知名町同(余多川)、和泊町2カ所(石橋川、奥川)。出水期までに除去作業が進められることで、河川周辺の住民の安心安全確保につながりそう。