恩師との別れ惜しむ

大和中から離任する南田龍一郎さんの壮行会


去り行く船上の恩師に手を振る金久中生

「キバレよー!」
名瀬新港、見送り風景

 「先生ありがとー」「キバレよー!」、スカイデッキから多くの掛け声が飛びかった―。進学や転勤など異動シーズン真っ最中の29日夜、奄美市の名瀬新港では例年とは少し違う見送り風景が見られた。新型コロナウイルス感染防止対策として県は大幅自粛を要請。岸壁への立ち入りが禁止となったため、ターミナルビル内には別れを惜しむたくさんの人々があふれ、転出者の激励と新しい門出を祝った。

 鹿児島に向かう定期船「フェリーあけぼの」が到着する午後8時ごろ、同港ビル2階待合室は多くの人出でにぎわいだ。大和村の大和中学校の生徒や教員・関係者ら約60人は、3年間同校に勤務した南田龍一郎さんの壮行会をスカイデッキで実施した。

 南田さんは「奄美の生徒たちはみんな素直でかわいい。アットホームな雰囲気で楽しかった」と3年間を振り返った。教え子の宮島瑠璃さん(3年)は「厳しくて優しくて面白い先生だった。給食のときいつも楽しい話をしてくれた」と教諭との思い出に浸った。

 フェリー出港の時刻には、スカイデッキにたくさんの人が集まり、「先生ありがとー」と書かれた横断幕やペンライトを振り、新天地へ向かう転出者を応援。去りゆく船にいつまでも手を振っていた。

 県は、名瀬新港での異動者見送りについて3点を通達、①見送りはスカイデッキなどのターミナルビル内のみの実施②横断幕の船への持ち込み及び船での掲示は禁止③感染対策をした上で最小人数で。そのため、恒例の色とりどりの紙テープが飛びかう光景は、昨年に続き見られなかった。