喜界町新総合計画が施行

「元気な島」づくりへ指針 今年度から10年間

喜界町は1日、2022年度から10年間の町政の基本的な指針を示した「第6次喜界町総合振興計画」を施行する=写真=。「子や孫の世代が住んでよかったと思える元気な島」を将来像に、基本理念となる5分野を策定。分野別の28項目の施策展開にはSDGsを紐付け、農業振興や地域の活性化、子育て支援や教育の充実など、持続可能なまちづくりを目指していく。

SDGs紐付け、5分野28項目を推進

総合計画は、町政に関する最上位計画で、行財政改革や予算編成の基礎と位置付ける。期限は31年度までの10年間。「基本構想」と目標を達成するための「分野別計画」にわかれる。

基本理念には、子育て世代支援、高齢者福祉などを進める「町民一人ひとりが健康で輝くまちづくり」、防災強化、住環境創出を掲げる「安心・安全で美しいまちづくり」、農業や観光の活性化を図るための「にぎわいのある活気あふれる島づくり」など、5項目を据えた。

分野別計画では、プランごとに課題を洗い出し、目標や施策の方向、取り組みへの針路を打ち出した。子育て世代支援の推進では、「0歳児保育の開始」など具体策を挙げ、30年までの目標を年少人口728人に設定。農業の振興では、26年までに35・4億円(20年実績・26・2億円)の生産額目標を掲げ、SDGsの「(8)働きがいも経済成長も」「(9)産業と技術革新の基盤をつくろう」などの世界的目標を対応させた。

同計画書によると、1955年に1万6037人いた町民も2020年に6629人まで減少した。隈崎悦男町長は「人口減少対策は喫緊の課題だ」との認識を示した上で、「描いていた通りの計画書ができた。子育て支援、農業振興など、10年先を考えながら一つひとつ実行していきたい」と話した。

構想は、毎年度更新するローリング方式で実施し、中間にあたる26年度に見直しを行う。策定へは、昨年11月に審議会へ諮問、2月にパブリックコメントなどを経て、3月11日に隈崎町長へ答申していた。計画書は全73ページで、同町ホームページで公開している。