コロナ禍、今年も静かに海開き

奄美市笠利町の用安海岸では親子らがわが子の足を海水に浸して無病息災を願った

シーズン幕開け、安全祈願
サンガツサンチ 赤ん坊の無病息災願う

 旧暦の3月3日(サンガツサンチ)にあたる3日、奄美群島各地で海開きがあった。コロナ禍での海水浴シーズン幕開けは3年連続で、関係者らは静かに手をあわせて海の安全を祈願。浜辺では初節句を迎えたわが子の足を海水に浸し、無病息災を願う親子の姿も見られた。

 奄美市笠利町の用安海岸では、奄美リゾートばしゃ山村(奥篤次社長)が新型コロナウイルス感染対策のため浜下れなどの行事を中止し、神事で期間中の安全を祈った。式には地元行政や海事、観光関係者など18人の限られた参列者で実施。シマ唄を奉納し海開きが宣言された。

 浜辺では時折雨の降るあいにくの空模様も、赤ん坊の足を海水につける家族連れの姿も大勢見られた。泣きじゃくる生後11カ月の長女・緋那子ちゃんを抱いた同町赤木名在住の仲里秀雄さん(40)・麻衣子さん(35)夫婦は「普段は暴れん坊だけど(海水に)驚いた感じだった。健康で元気に育ってくれれば」と願った。

 海上では、マリンアトラクションに誘われて子どもたちが海に飛び込んだ。バナナボートなどが海面を疾走し、大きな歓声を響かせていた。

 同社の奥圭太取締役は「(神事のみの催行に)さびしさはあるが、来年こそはと島の神に祈った。我慢は続くが、元気を出して夏に向かいたい」と述べた。

 海開きは、同市名瀬の大浜海浜公園、沖永良部、与論など各地であった。