ANA派遣の宮田さんに辞令交付

安田市長から辞令を受け取った宮田さん(左)

 

観光振興や世界自然遺産活用
地域おこし協力隊員
奄美市

 

 奄美市は4日、全日本空輸(ANA)との人事交流で同市の地域おこし協力隊員となった宮田夏弥(なつみ)さん(26)に同市プロジェクト推進課勤務を命ずる辞令を交付した。同日、市役所で辞令交付式があり、安田壮平市長が宮田さんに辞令を手渡し、「民間企業の視点を生かし、奄美の観光振興や世界自然遺産の活用などに様々な意見提言を行ってほしい」と激励した。

 同市は、新年度から民間企業の人材を活用する総務省の地域おこし協力隊(地域活性化起業人)事業を活用、全日本空輸(ANA)からの派遣社員1人を登用、ふるさと納税の返礼品の開発を軸とした特産品の販路拡大や観光商品や物産の開発、世界自然遺産を生かした観光振興などにも取り組むことにしており、宮田さんを採用した。辞令は1日付で、任期は1年間。

 同市が地域おこし協力隊員を採用するのは3人目で、民間企業との人事交流は、NTTドコモに続いて2社目となる。

 宮田さんは神奈川県横浜市出身。2018年8月、客室乗務員としてANAに入社、国際線や国内線などへの乗務経験がある。一方で、近年はコロナ禍の影響などから、客室乗務員としての勤務機会が減少しており、「新たなことに挑戦したい」と今回、同市への派遣の社内公募に応募したという。

 ANAホールディングスでは1日付で、瀬戸内町・加計呂麻島出身の芝田浩二氏が代表取締役社長に就任したばかり。宮田さんは、同市への派遣が決まった後に芝田氏から直接激励の言葉を受けたと言い、「芝田社長からは奄美で一緒に釣りをしようと誘われています。機会があればうれしいです」と話し、「客室乗務員としての経験を生かし、奄美の文化や自然などの素晴らしさを自らの足で体験しながら、魅力を発信していきたい」と抱負を語った。