紬産地再生協 人材確保、技術伝承へ

牧理事長から入校証を手渡される前之濱さんと、修了証を受け取った(右から)濵田さん、深田さん

巣立ちへ激励、新入を歓迎
研修生が修了式と入校式

 奄美の伝統工芸産業である大島紬の技術者を育てる奄美大島伝統工芸産業支援事業・後継者育成事業「研修生」の昨年度修了式と今年度入校式が5日、奄美市名瀬の市産業支援センターであった。研修生2人が修了し、1人が新たに入校。参加者らは、次代を担う修了生の巣立ちを激励し、新たな新入生へ歓迎の言葉を送った。

 職人の高齢化、担い手不足が深刻化する中、本場奄美大島紬の人材確保と技術伝承が目的。昨年度までは県の事業を活用していたが、今年度からは本場奄美大島紬産地再生協議会(会長・牧雅彦本場奄美大島紬協同組合理事長)が事業内容を受け継いだ。

 2年間の学びを終えた修了生は、締加工の深田和徳さん(34)、図案の濵田浩之さん(51)。前之濱勇登さん(39)が締加工研修生として新たに入校した。

 牧会長はあいさつで「大島紬を次世代につなげていくことが私たちの役割。立派な技術者になることに期待する」と激励。それぞれに修了証・入校証を手渡した。

 父が経営する工房への就業が決まっている深田さんは「また新たな勉強が始まる」と気を引き締め、組合に勤めつつさらなる技術の習得を目指すという濵田さんは「自分の描いた図案が紬になるように頑張りたい」と抱負。西陣織職人でもある前之濱さんは「紬の魅力は草木染など自然の力。足りない部分を補い、新しい技術、魅力づくりにつながれば」と意気込みを述べた。

 新入生の補助対象期間は最大2年。締加工指導員は伊勢勝義氏が務める。