ハクセキレイの「白化個体」

極めて珍しいハクセキレイの白化個体(写真手前、奥は普通の個体)=3日、天城町総合運動公園(山田文彦さん撮影)

天城町総合運動公園で発見
自然写真家・山田さん

 【徳之島】徳之島空港沿いにある天城町総合運動公園(同町浅間)で野鳥観察中の自然写真家・山田文彦さん(55)=同町浅間在住=が、極めて珍しいハクセキレイの「白化個体」を偶然発見して激写。「これこそが正に〝ハクセキレイ〟の名を体現しているのでは?」と持論もつけ加えた。

 スズメ目セキレイ科で全長約21㌢。普通のハクセキレイだと頭から背にかけて黒色か灰色で、腹と翼は広く白い。顔の模様も特徴的で見分けやすいとも。

 同公園の野鳥観察台「トリトリデッキ」の設計にも携わるなど、同島野鳥観察の第一人者でもある山田さん。探鳥中の3日正午ごろ、同園地野球場の芝地で採餌(さいじ)していたひと際目立つ全身純白の鳥が目に飛び込んだ。一瞬、「ハクセキレイ(写真奥)とともにいるのは、もしかしてヒマラヤにすむかもしれない幻のユキセキレイか?」と色めき立った。

 望遠レンズでさらに詳しく観察すると、目は黒く、羽ばたいた瞬間に風切羽にわずかな模様が。「(完全な)アルビノだと全身純白のうえ目が赤くなるのが特徴。突然変異でたまに出るが、これほどの白化個体は極めて珍しい」。そして「この白化個体の姿をおがんでしまうと、(普通の)ハクセキレイは白黒なのに、なぜこの名前をつけてしまったのだろうか?」としきりに首をかしげた。