86年前刊行「更生の伊仙村史」と「伊仙町誌」の合冊復刻版をPR(左から松岡室長、大山教育長、大久保町長)
【徳之島】伊仙町誌編纂室(松岡由紀室長)はこのほど、同編纂事業の第1弾となる「令和版伊仙町誌」資料集①『いせん』で、「更生の伊仙村史」(昭和11年刊行)と「伊仙町誌」(同53年刊行)の合冊復刻版を刊行した。「奄美群島のみならず日本全体が経験した激動の時代。私たちの故郷の姿、原点を見つめ直す礎(いしずえ)として最適の書」と活用を呼び掛けている。
同復刻版はA4判・全556㌻(初版500冊)。戦前の86年前に刊行された「更生の伊仙村史」は、先史時代からの当時の考古学・歴史研究成果をはじめ、旧村の①地誌②沿革③教育と宗教④風俗習慣⑤各官衛沿革⑥沿革年代表⑦雑事など7章で構成。44年前の歳月を経た現「伊仙町誌」は、町の①概観②歴史③復帰以前の伊仙町④教育⑤宗教・文化⑥民俗⑦町歴史年表などで構成。
「更生の伊仙村史」は第6代村長で郷土研究家だった故栄友直氏(阿権)の自費出版資料を遺族が協力。合冊復刻にあたっては、明らかな誤植部分などは手を加えて読みやすい書体に打ち換え、文章や写真など内容は原書を忠実に復刻した(松岡室長)。
大久保明町長も会見で「この地域の先人たちが生きてきた証(あかし)を文字や写真で残すことは大事。伊仙町にとっては今後も歴史・文化が宝。分かりやすくした復刻版を一人でも多くの方々に読んで欲しい。デジタルアーカイブ版も含め、若い人たちがふるさとを深く理解できるようにしたい」などとアピールした。
資料編の第2弾は「近世」に焦点を当て藩政期役人の日記など古文書史料も発掘して記録する。計3弾の資料集をはさみ、「令和版町誌」本編は24年度ごろを目指すという。
同復刻版は定価2500円(税込み)。同町役場や町歴史民俗資料館、直売所「百菜」、ほーらい館などで販売中。問い合わせは同町誌編纂室(電話0997-86-4183)。