喜界産トマトが収穫期

温室で出荷期を迎えたトマトを収穫する益田さん

 

 

「見た目よく大玉多い」
荒木の益田さんら

 

 農業立島を目指す喜界町で、町が主要作物に指定する喜界産のトマトが収穫期を迎えている。同町荒木の益田幸直さん(46)は、父親の農場を継いで16年ほど前から栽培を始めた。益田さんは「今年は寒冬で出荷が遅れているが、見た目もよく大玉も多い」と摘み取りに汗している。収穫は5月下旬ごろまで続くという。

 同町のトマトは1~5月にかけて出荷され、町内では約14軒の農家が生産している。本土とは収穫時期が異なる端境期に出荷することで、安定した収入につながっているという。

 益田さんは、サトウキビやカボチャのほか、14㌃のビニールハウスで「麗旬」と呼ばれる品種のトマトを栽培。コロナ禍の影響で出荷量はやや落ち込んでいるものの、甘味の強いトマトは県外の飲食店でも好評だという。

 18日も早朝から収穫が始まり、赤く染まり出した実を丁寧に摘み取っていた。いろんな品種を試すなど、試行錯誤の末にここまでたどり着いたという益田さんは「酸味も含めてバランスのいいトマト。奄美の食卓でも喜界産トマトが並ぶようになるとうれしい」と笑顔で話していた。

 同町では1992年の地下ダム整備に合わせて、本格的にトマトの生産に取り組みはじめた。主な出荷先は県本土。町によると管内の直近10年の生産量は年間約226~325㌧で、粗生産額は約7400~1億1600万円で推移している。