日本とウクライナの絆を深めたい

龍瀬小学校を訪問し、ウクライナ人道支援に感謝を伝えたナディーヤさん


交流後に児童らと記念撮影するナディーヤさん

ナディーヤさん、龍瀬小の義援金に感謝
「美しい島に暮らせて幸せ」

 ウクライナ人道支援義援金に対するお礼のためウクライナ人のツビリューク・ナディーヤさん(33)が13日、龍郷町立龍瀬小学校(堀内俊勝校長、児童81人)を訪れ、支援金への感謝を伝えた。サトウキビ栽培に携わる5・6年生27人が参加。連日、戦争の惨劇が報道されるウクライナ情勢。当事者のナディーヤさんの言葉一つひとつに耳を傾け、平和の尊さや自由、感謝の心を学んだ。

 同校は6日、昨年度栽培したサトウキビの売り上げを日本赤十字社龍郷町分区(竹田泰典分区長)に人道支援金として寄付した。預かった義援金は日赤本社を通じて、ウクライナ国内及び周辺諸国への救援活動の支援に充てられる。

 ナディーヤさんは支援金の記事を知り、町に相談。直接、感謝を伝える場を設けた。

 ウクライナの国旗や国章の説明、歴史や食文化、現況などを紹介。ナディーヤさんは「みんなのやさしい気持ち、支援や協力に感謝」を述べ、児童らの成長を願い、「勇気を持って、諦めないで夢を叶えてほしい。一人ひとり、周りの人にはやさしくしてほしい」と呼び掛けた。最後はウクライナ民謡を披露し交流を終えた。ロシアによる侵攻で心が傷ついたナディーヤさん。「奄美で元気を取り戻したかった。美しい島に暮らせて、とても幸せ」と笑顔を見せた。
   
 ナディーヤさんは2006年、「キエフナイチンゲール合唱団」の一員として来日を皮切りに、これまで3回来島。今回、ウクライナから避難するため、バスや電車でスロバキア、ハンガリーを経由しイギリスに到着、3月27日に来日。10年来の友人、中川沙織さん(43・同町瀬留在住)の支援、サポートを受け、今月上旬に来島した。つかの間の奄美滞在に心が安らいだというナディーヤさん。今後は、ウクライナに残っている母親や妹2人、親族9人の早期の来日を希望。仕事上の都合で沖縄に拠点を移し、再会を心待ちにしているという。

 6年生の﨑田乃愛さんは「ウクライナはすてきな国だと思った」、ナディーヤさんの「歌がとてもすてき、ぜひ行って見たいと思った。戦争は本当に辛いことだと実感が伝わった」と感想を話した。

 児童との交流を終えたナディーヤさんは「学校や先生方、児童に直接、感謝を伝えたかった。日本とウクライナの絆を深めたいと思った。平和になった時には、もっと交流出来たらうれしい」と有意義な時間を過ごした。