認証店で初のクラスター

飲食店第三者認証の制度説明とともに、認証店の県民の利用を呼びかけている県のホームページ

県お墨付き「大変残念」 認証項目徹底、抜き打ち調査
知事会見

 塩田康一知事は15日、県庁で定例会見を行った。新型コロナウイルス感染症対策で、基準に適合した飲食店に県がお墨付きを与える「第三者認証制度」を促進しているが、出水市で発生した接待を伴う飲食店でのクラスター(感染者集団)は、初めての認証店でのクラスターだった。知事は「大変残念なこと。県の責任も問われている」との認識を示すとともに、県内認証店約4250店に対しあらためて認証項目の徹底を依頼(通知)、継続して守られているか抜き打ちの立入調査を引き続き実施していくとした。

 知事によると、出水市の認証店は▽1回受けた認証調査の時、置いてあったアクリル板が、置いてなかった▽食事の提供では個別の皿ではなく、大皿で提供▽従業員の体調管理、マスク着用が不十分―といった問題点が判明。知事は「店の方に問題があると聞いている」とし、あらためて調査した上で今後の対応を決めると説明。14日付で「第三者認証店」の公約を一時停止しているという。認証が取り消されると初のケースとなる。

 ワクチン接種、PCR検査、第三者認証促進を県の対策の柱としている中、「安心して飲食ができる」として県民の利用を呼びかけ、時短要請では優遇策も講じた認証店でのクラスター発生は「信頼が崩れた」という見方もできる。知事は「県がしっかりと調査した上で認証を与えており、県の責任が問われていると思っている。鹿児島県のチェック項目は非常に多いだけに、店側も継続的に責任を持って認証基準を守ってほしい。他の店舗ではないことを信じたい。飲食の需要を回復させていくためにも、しっかりと取り組む(認証基準順守と感染防止対策徹底)必要がある」と述べた。

 抜き打ちの立入調査はこれまでも実施しており、実施店舗ではいくつかの問題点を把握、指導により改善が図られたこともあるという。ただし認証店の増加で調査数には限度があることから、知事は利用者による通報など協力も求めた。

 人との交流が活発化し感染拡大のリスクが存在する大型連休(GW)に向けた対策については「三密を避け、手指消毒をしっかりと行い、食事においてもマスク着用など基本的な感染対策徹底」を県民に呼びかけ。連日、700人規模の新規感染者が確認されているが、「まん延防止等重点措置」の政府への適用要請については「病床使用率は30%台の後半まで上昇しているが、医療提供体制がひっ迫した状況ではない。現時点では(適用要請を)考えていない」とした。

 このほかウクライナ避難民の支援について知事は「市町村では生活保護などの生活支援、県としては宿舎の提供、教育面のサポート、言葉の問題が非常に大きいことから翻訳機の提供など支援、相談に乗っていきたい」との考えを示した。