新型コロナウイルスのオミクロン株の派生型で従来型よりも感染力が強いとされる「BA・2」が、鹿児島県内でも広がり始めている。15日に県が発表した最新のゲノム解析では、感染者検体の5割超で「BA・2」が確認されており、人流が活発化する大型連休を前に感染拡大への懸念が高まる。
4月8日~14日には国立感染症研究所などが感染者82件をゲノム解析し、53・6%に当たる44件でBA・2の陽性が確定。県内初の感染が確認された3月19日(確定日3月11日~17日)の発表では15・5%に当たる9件だったが、以降は置き換わりのペースが速まっている。
ゲノム解析の県内確定数は、3月18日~24日が陽性率39・1%の18件(確定数46件)、同25日~31日が同47・7%の42件(同88件)、4月1日~7日が同68・2%の28件(同41件)と日を追うごとに拡大。変異株の特長を調べる県環境保健センターのスクリーニング検査でも、変異株疑いが30・9%だった3月下旬と比べ、直近では51・4%まで上昇している。
塩田康一知事は15日の定例会見で「(BA・2に)だいぶ置き換わり、(従来型と比べても)感染スピードが非常に速い」と懸念を示した。今月に入って20歳以下の感染者が全体の半数以上を占める中、ゴールデンウィークには人の往来増加も見込まれる。「若い人の新規感染が非常に大きなウエイト占めており、希望する人は早めに3回目接種を受けてほしい」と訴えた。
国立感染症研究所はBA・2について、実行再生産数や二次感染リスクなどから「従来のオミクロン株より感染性が高いことが示されている」と分析している。県くらし保健福祉部は、三密の回避や会話時のマスク着用、手洗いの徹底を求めた上で、「より一層の対応を願いたい」と呼び掛けている。