「伊仙町サテライトオフィス」開所式(旧徳之島農高跡地)=18日、同町伊仙
窓から伊仙市街地と海が遠望できる「テレビ会議室」
【徳之島】伊仙町が旧徳之島農業高校跡地(同町伊仙)の校舎を活用して整備した一般企業貸出し用の「同町サテライトオフィス」の開所式が18日あった。すでに国内情報・通信大手のNTTデータによる自動運転実証・実験関係関連の利用も内定。関係者のテープカットで利用を開始し、都市部の企業と地域資源を結びつけての地域活性化に期待を寄せた。
場所は、同町歴史民俗資料館を設置している同旧校舎(鉄筋コンクリート4階建て)の未利用4階フロア。国の2020年度新型コロナ対応地方創生臨時交付金事業(21年度繰り越し)を活用。「町テレワーク環境・サテライトオフィス整備事業」として改修工事や備品を整備。総事業費は約2693万9千円(100%国補助)。
町当局(未来創生課)によると、コロナ禍でテレワークが急速に普及するなか、地方への拠点開設を模索する企業側のニーズに応え、サテライトオフィス開設に向けた誘致活動を推進。交流人口の創出で地域の活性化につなげることなどが目的。
特徴として、高速インターネット環境(Wi-Fi)が利用可能な▽貸しオフィス3部屋▽キャンプをイメージした家具を設置して町民をはじめ出張者や旅行者などが1日単位で利用できるコワーキング室(最大8人)▽テレビ会議室(同)▽テレワーク室(同)などで構成。
満員電車に揺られる都会とは違ったストレスフリーをはじめ余暇の満喫(海水浴やダイビング、浜辺でのバーベキュー、ホエールウォッチング、温浴施設・スポーツジムのほーらい館)、熱気あふれる闘牛大会―など魅力もアピール。
利用料金は▽オフィス1・2はそれぞれ月額2万5千円▽同3は同4万円▽テレビ会議室は1日(午前8時半~午後5時)1千円▽テレワーク室およびコワーキング室は1人300円(時間同)を設定している。
開所式には関係者ら約20人が出席した。大久保明町長はあいさつで、国内情報・通信大手のNTTデータによる自動運転AI(人工知能)関連技術開発で、旧農高敷地(グラウンド跡)を中心とした「自動運転実証・実験場」の設置が模索されていることに言及。その準備にサテライトオフィ3の利用がすでに内定。「日本では伊仙町で初めて自動運転の実証・実験が始まることになる」と絶大な期待も示した。
同オフィス関連の問い合わせは同町役場(電話0997‐86‐3111)未来創生課へ。