21年度タンカン出荷販売反省会

市町村による選果料助成初年度は、前年度実績・計画を上回る委託持ち込みが報告された「奄美たんかん」出荷販売反省会

助成効果、委託伸び 前年度実績、計画上回る
最高品の秀品率向上 JA大島事業本部

 JAあまみ大島事業本部生産部会連絡協議会果樹部会(大海昌平会長)主催の2021年度タンカン出荷販売反省会が19日から始まった。同日午前中は、奄美市の生産者を対象に市農業研究センター会議室であり、品質保証が可能な光センサーが配備されている奄美大島選果場利用促進へ島内5市町村が選果料助成(良品以上)に取り組んだ中、選果のみで持ち込まれた委託量の助成初年度実績は140・5㌧となり、前年度実績、計画量を上回ったことが報告された。

 21年度販売実績報告によると、同年度産のタンカン生育状況は気象条件には恵まれたものの、着果量が少ない裏年に当たったため生産量は減少。品質は良好で平均糖度が12・37度となり、前年度よりも0・77度上回った。販売面は、部会員出荷申込計画量(共販68㌧、委託選果103㌧)を基に秀品・優品・良品は宅配主体、業者などとは相対価格設定で有利販売に取り組んだ結果、農家手取り向上が図られた。

 出荷実績(前年度実績101㌧)は66・2㌧でわずかに計画には届かず。支所別の出荷実績は、▽名瀬17・5㌧(計画比4・89%減)▽笠利0・6㌧(同66・67%減)▽住用14・3㌧(同83・33%増)▽龍郷2・7㌧(同41・31%減)▽大和13・4㌧(同26・37%減)▽宇検8・2㌧(同13・68%減)▽瀬戸内9・3㌧(同16・25%増)。住用と瀬戸内は計画を上回った。

 取扱実績で製品57・3㌧・規格外品8・9㌧となったが、製品の等階級品では最高の秀品率が23・9%で、例年の15%を上回った。秀品率の向上についてJAは「台風被害がなかったほか、病害虫被害も少なかった。今後も家庭内選果を徹底し、良品以上を持ち込んでほしい」と説明した。

 選果場持ち込み数量はJA販売の共販74・7㌧、選果のみの委託140・5㌧。伸びが著しいのが委託で前年度実績(115㌧)、計画量(103㌧)とも上回った。出席した奄美市によると、選果料助成(1㌔㌘当たり26円)対象の良品以上135㌧、金額350万円以上支払う予定。市農林水産課は「助成金交付は22年度も続ける方針。もっと選果場を利用してほしい」と呼びかけた。

 意見交換では販売面で、「全体では出荷申込通り持ち込みがあったが、一部持ち込みゼロの生産者(全体で7人ほど)がいた」との報告に対し、「申込通りでないと計画的な販売に支障が出る。自分の量の見誤りが存在するだけに、部会役員で果樹園を回り、数量を押さえる取り組みを進めていきたい」との意見が出ていた。

 19日は龍郷町でも出荷販売反省会が開催され、20日宇検村(結の館)、21日は瀬戸内町(JA支所2階)と大和村(村産業振興センター)で予定している。