飛行機の離陸直前のオイル漏れトラブルで、約4時間半閉鎖された徳之島空港=19日午後1時ごろ、天城町
【徳之島】徳之島空港(天城町)で19日午前10時21分ごろ、離陸のため滑走路に向かっていたジェイエア(J-AIR)の徳之島発鹿児島行きの飛行機が、油圧系統と見られるオイル漏れを起こし滑走路上で停止した。同機体トラブルと滑走路面に漏出していた油の除去など復旧作業で、滑走路が約4時間半にわたって閉鎖され、計3便が欠航するなどダイヤが乱れた。乗客乗員にけがはなかった。
県港湾空港課をはじめジェイエア本社(大阪府)、徳之島空港関係者らの話を総合すると、同機は、同日午前10時15分徳之島発鹿児島空港行き(定刻)の同社機3797便(エンブラエル170型機)。乗客68人を乗せて離陸のため滑走路を南側方向に走行中、機長らが油圧の異常を計器で確認。滑走路上で自力では動けなくなったため、空港のけん引車両のけん引で駐機場に戻り、乗客全員を無事降ろしたという。
同空港管理事務所など空港関係者らが滑走路を点検すると、滑走路(全長2000㍍)の南側に100㍍以上にわたって線状に漏れ落ちたオイルを確認。このため午前11時10分から滑走路を閉鎖。消防車両も使って滑走路面の油分の除去など復旧作業にあたり、午後3時にようやく解除。ジェイエアは油漏れの原因など機体を調べている。
滑走路閉鎖の間、当該機を含め同空港発着予定のうち計3便が欠航した。他空港での乗り継ぎ予約客を含め計173人の足に影響が出た。同社は「ご迷惑をお掛けしたお客さまや空港関係者に深くお詫びを申し上げ、再発防止に努めます」とコメントした。
後続便乗り換えに約5時間の空港待機を余儀なくされた伊仙町の農業男性(74)は「鹿児島では通院も予定。疲れたが、とにかく飛ぶ前に気づけてよかった」。天城町に帰省していた埼玉県在住の主婦(61)も「離陸寸前のUターンに驚いたが、これからも安全第一でお願いしたい」と胸をなでおろしていた。