IT活用 紬の真贋判定法を説明

「ITを活用した奄美群島の伝統工芸品『本場大島紬』の模倣品流通対策に関するデモンストレーション」と説明会の様子

模倣品流通対策で提案 東京の企業が奄美市で開催
紬の在庫管理法の説明も

 企業の事業成長支援などを行っている「シーエルエムラボ合同会社」(東京都、橋口雅裕代表社員)主催の「IT(情報技術)を活用した奄美群島の伝統工芸品『本場大島紬』の模倣品流通対策に関するデモンストレーション(実演)」と説明会が22日、奄美市名瀬浦上町の奄美市産業支援センター2階のコワーキングスペースで開かれた。実演と説明会には、支援している「PWCコンサルティング合同会社」(東京都)の社員も参加した。本場奄美大島紬協同組合の理事ら関係者8人が出席し、説明を聞いた。主な説明概要は①ITを活用して本場大島紬製品の真贋(本物か偽物か)を判定する「デジタルトレーサビリティーサービス」の仕組み②本場大島紬の在庫管理方法(地域特産品在庫管理)―などについて2社担当者が説明し、出席者から質疑を受けた。

 説明会の冒頭、「PWCコンサルティング合同会社」の林泰弘さん、「シーエルエムラボ合同会社」の橋口代表社員、本場奄美大島紬協同組合の福長敏文事務局長がそれぞれあいさつした。

 説明会では、ITを活用して本場大島紬製品の真贋を判定する「デジタルトレーサビリティーサービス」の方法について▽専用のタグ(微細な粉末、1000度の高温に耐えることができる。原料として二酸化ケイ素=シリコン=でできた食用の微粒子を使用)を使う。製品に付ける。微粒子なので一見しただけではタグの存在は分からない▽スマートフォンの専用アプリが必要だが、スマートフォンでタグを読み取り、真贋判定する▽デジタル技術を活用して偽造防止につながる▽世界中の誰もが、その製品は本物なのかどうかを検証できる―などの利点を強調した。

 説明役を担った2社の職員は「例えば、人気のある製品を外国へ輸出したら、必ず模倣品が出てくる。輸出前に模倣品対策を取ることが大切」「タグ、スマートフォンを使い、本場大島紬の模倣品対策に活用してほしい」などと指摘した。

 質疑では、出席者からいろんな質問や意見が出た。