5歳から11歳までの子どもを対象にした奄美市と龍郷町の小児用新型コロナウイルスワクチンの集団接種が23日、奄美市名瀬の奄美ワクチンセンター(奄美文化センター)で行われ、約190人の児童が接種した。対象となる児童数は両市町合わせて約2900人(うち龍郷町約470人)。この日の接種率は6%程度だった。同センターでは5月14日に2回目の接種を実施。さらに21日(2回目6月11日)には、宇検村と瀬戸内町を含めた4市町村合同での集団接種を計画している。
今回接種されたワクチンはファイザー製で、12歳以上で接種する量の3分の1の量。接種した児童は、3週間後に2回目の接種を受けることになる。奄美市新型コロナワクチン接種推進室は、感染予防効果と副反応などを理解して接種判断することを呼び掛けたうえで、「希望者が安心して接種できるよう、万全の対応をとっていきたい」としている。
同ワクチンセンターでは、大島郡医師会の協力も得て小児科医を配置、受付担当職員を増員するなどした。同推進室は「小児を対象とした初めての集団接種のため慎重に対応した。職員を増やしたことで、本人確認や接種券のチェックも念入りにできた」などと話した。
5月21日に実施する第2弾集団接種からは、瀬戸内町と宇検村も合同で行う。対象児童数は瀬戸内町481人、宇検村111人。奄美市と龍郷町を含めた予約枠は200~250人程度。予約状況について、奄美市の同推進室は「まだ予約枠には余裕がある。希望する人は安心して予約してほしい」としている。
奄美大島では1月以降、新型コロナの感染が続いており、県全体でも4月以降、連日のように700~800人を超える新規感染が報告されている。また、10歳未満や10代の感染も多数確認されており、学校や部活動などでのクラスターも発生するなど、若年層の感染拡大も懸念されている。
厚生労働省は小児用ワクチンについて、基礎疾患のある子どもの感染による重症化リスクなどから接種を進める一方、接種を推奨する「努力義務」は適用されていない。
同推進室は「子どもの健康状態と感染リスクなどについて家族で話し合い総合的に判断してほしい。迷う場合は、かかりつけ医などにも相談してみては」と話している。