名瀬測候所防災気象連総会

約30人が参加した「名瀬測候所防災気象連絡会総会」

「大雨特別警報」奄美でも
気象情報活用、予報官が解説

 名瀬測候所防災気象連絡会の「2022年度総会」が27日、奄美市名瀬の市民交流センター会議室であった。今年度から奄美地方など島しょ部の市町村単位で発表(発令)が可能になる「大雨特別警報(浸水害)」などの新たな気象情報活用について同所の予報官らが解説。地元行政や企業の会員ら約30人が耳を傾けた。

 新たに基準が見直された警報・注意報(運用時期)は、▽大雨特別警報(浸水害)の指標改善(6月下旬)▽高潮の早期注意情報(8月下旬)▽キキクル「警戒レベル5」の新設(8月中旬)―の3項目。名瀬測候所の池内直樹予報官が指標や改善ポイントを解説した。

 「大雨特別警報(浸水害)」は、既に何らかの災害が発生している可能性が極めて高い状況。新たなシステムでは、最新の解析技術でメッシュを5㌔四方から1㌔四方に細分化することで、現行基準より狭い範囲で判断でき、単一の市区町村でも警報が出せるようになる。

 池内予報官は「気象台が持つ強い危機感の共有ができるようになる」と強調。「局地的豪雨など、これまで対応が難しかった島しょ部でも発表がしやすくなる」と訴えた。

 会ではこのほか、技術専門官による講話「地震・津波情報の利活用」、陸上自衛隊奄美警備隊による「災害対処に関する概要説明」などもあった。横光雅種所長は「これからは梅雨、台風と続く時期。それぞれが連携して地域の防災力を高めていこう」などと呼び掛けた。