世界自然遺産の宝を守ろう!

徳之島地区「盗採・盗掘防止合同パトロール」出発式=28日、天城町役場駐車場

GW「盗採・盗掘防止合同パト」
徳之島地区

 【徳之島】ゴールデンウイーク(GW)を前に28日夜、徳之島地区自然保護協議会や関係機関・団体合同の「希少野生動植物盗採・盗掘防止パトロール」の出発式があった。観光客などに紛れて「世界自然遺産の島の宝」を狙う盗採・盗掘の水際防止に向け、官民一体の合同パトロールで「監視と守り」をアピールした。

 天城町役場駐車場で同日午後6時半から出発式があり、徳之島自然保護協議会会員をはじめ環境省、県、3町当局の環境行政者、徳之島署員など合わせ約30人が参加。

 自然保護協の美延治郷会長(66)は冒頭、昨年7月の世界自然遺産登録を前、駆け込み需要的に国有林などで発見が相次いだ大量の昆虫トラップ(わな)設置事例も指摘。「世界自然遺産の島の宝を未来の子どもたちにつなぐ使命がある。(森林内などに)トラップや不審者・不審車両がないかなど、常に目を光らせていこう」などと要請した。

 同自然保護協の女性会員(41)からは「オンラインショップの昆虫販売業者」を名乗る人物からの電話で、クワガタなど昆虫盗採の実態に関する裏情報が暴露され、環境省など関係機関と情報共有済みであるとの報告もあった。

 環境省徳之島管理官事務所の福井俊介国立公園管理官(28)は、希少種保護パトロール時に不審者や不審車両と出合った際の対応マニュアルにもふれ、「(任意のため)まず身分を示してコミュニケーションを。景観や環境などへの配慮とマナーに協力をいただけない場合は、車両番号などを控えて関係機関と情報共有を」とも呼び掛けた。

 この後、▽A班・徳之島町北部▽B班・同町中部▽C班・天城町中部▽D班・同町南部▽E班・伊仙町東部▽F班・同町西部の計6班に分かれてパトロールに出発した。

 GW期間中は不審者や車両の発見と声掛け、外来種や危険箇所の調査・記録なども強化するという。