海岸移動前に、簡易測定器を利用した水質調査を実施した
龍北中の生徒らによって、嘉渡海岸の漂着ごみが回収された
龍郷町の龍北中学校(志風寛校長、生徒12人)は28日、嘉渡海岸の漂着ごみの回収と調査とともに、海岸清掃を目的とする「リサーチきょら活動」を実施した。2001年度から取り組む環境学習の一環で、生徒10人、教諭5人、奄美海上保安部職員3人が参加し、漂着ごみ203㌔を回収。うち調査用49㌔は、種類、国籍別に分類。海岸調査を通し、環境問題に対する理解を深めるととともに、清掃作業に汗を流した。
今回で21回目を迎えた同活動は、昨年度、国土交通省から「多年にわたり清掃活動を行い海岸の環境美化に貢献した」という理由で「海の日」海事功労者の表彰を受賞。また、回収された漂着ごみの数量は、毎年、海ごみ問題解決のために活動している一般社団法人JEANに、同保安部が再集計し報告。同法人の統計資料作成に生かされている。
今回、海岸移動前に同校玄関で、同保安部職員による簡易測定器、同海岸の海水を利用した水質調査を実施。調味料を垂らして測定するなど、生活排水が及ぼす海洋汚染の様子を生徒たちに伝えた。
漂着ごみの回収作業では、小雨が時折降る中、内陸側、海側の2班に分かれ開始。回収後、▽プラスチック▽木・紙▽ガラス・陶器▽ビニール・ゴム▽金属▽発泡スチロール▽その他―と分類し計量。今後、その結果を元に同活動に利用されている「総合的な学習の時間」などで、希望する生徒たちによって調査内容がまとめられ、発表される。この日、一連の調査活動終了後、引き続き生徒たちを中心に、海岸清掃が行われた。
同活動を担当する吉峯八重教諭は「漂流ごみの回収活動は、調査を目的としているが、海岸清掃の意味もある。今後も、調査の有無問わず龍北中の『伝統』として、活動を維持していきたい」と話した。
昨年に引き続き参加した圓山結礼さん(2年)は、「昨年は、タイヤなど大きな漂着物があったが、今年はなかった。海が汚くなると魚もいなくなるので、(奄美の)きれいな海を守っていきたい」と話した。