参院選での支持を呼び掛けた野村氏の国政報告会
参院選の公示が有力視される６月22日（投開票は７月10日の見込み）まで２カ月を切った。現職と新人あわせて３人が立候補を表明している鹿児島選挙区（改選数１）では、各陣営の動きも活発化、１日には自民党現職で４期目を目指す野村哲郎氏（78）が奄美大島入り、奄美市で国政報告会を行ったほか、地元首長らと意見交換した。野村氏のほか、同選挙区には立憲民主党県連代表で県議の柳誠子氏（61）、共産県委員会書記長の山口広延氏（47）が立候補を表明しているが、野党が候補者一本化に向けて調整を進めており、選挙の構図は流動的となっている。
奄美市名瀬の奄美観光ホテルであった野村氏の国政報告会には、前衆院議員の金子万寿夫氏のほか地元選出の自民党県議、島内５市町村長と野村氏の支持母体であるＪＡあまみの関係者や一般市民ら約１３０人が出席。金子氏や向井俊夫県議、安田壮平奄美市長らが登壇、野村氏への支援を呼び掛けた。
野村氏は、「国の安全保障同様に重要なのが食の安全保障。最後の仕事としてこの問題に取り組みたい」などと述べ、農林水産大臣政務官などを務めたこれまでの実績を強調、３期18年務めた参院議員としての活動の総仕上げとして、今夏の参院選に臨む思いを語った。
同報告会の前には、市町村長らとの意見交換会も行われた。首長らからは、農林水産大臣政務官も務めた野村氏に対し、サトウキビにかかる生産者交付金の増額や原油、飼料、資材高騰に対する取り組みなど農家の経費軽減のための支援などを求めた。
野党は立憲民主党が柳氏、共産が山口氏の擁立を決めている。一方で、連合鹿児島と立憲民主、国民民主、社民の各党県連と県議会野党会派の県民連合でつくる「５者会議」が柳氏を支援することで合意。山口氏の擁立を予定している共産党県委員会も、「合意できる政策であれば、独自候補にこだわらない」との意向を示しており、今後、政策面での合意が得られれば、柳氏を野党統一候補として支援する可能性もある。
比例代表の県関係では、いずれも自民現職の宇都隆史氏（47）＝２期目＝と、園田修光氏（65）＝１期目＝が、すでに奄美で国政報告会などを行い、支持拡大を図っている。