ゼロカーボンアイランドへ

説明会に参加した知名町の今井力夫町長(左)と和泊町の前登志朗町長(右)=知名町役場=

沖永良部2町 環境省の「脱炭素先行地域」選定
「住み続けたい島に」

【沖永良部】環境省は先月26日、政府目標に先駆けて2030年度までに二酸化炭素の排出量ゼロを目指す「脱炭素先行地域」の第1弾となる26件の提案を発表し、県内からは知名町と和泊町、リコージャパン、一般社団法人サステナブル経営推進機構の4者共同で提案した計画「ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ」が選ばれた。2日、知名、和泊両町合同による計画説明会が知名町役場会議室であり、同町の今井力夫町長は「安心安全なエネルギーを島民に供給し、住み続けたいと思える島を作りたい」と意気込みを語った。

提案した計画では、知名町新庁舎周辺と同町久志検地区周辺、和泊町国頭地区周辺の3地区において、小規模なコミュニティーでエネルギーの供給源と消費施設を持ち地産地消する「マイクログリッド化」を進める。公共施設においては、今後設立予定の地域エネルギー会社と連携して太陽光と蓄電池の導入を図る。さらに、両町公用車のEV化や公共バスの電動化のほか、高校生の通学用EVバイクの購入補助などを行う。

30年までに、島全体の石油由来のエネルギーコストを5割削減し、自然災害による年間停電時間を10分以内に抑えることを目指す。

総事業費は、マイクログリッドの構築が約18億5000万円、公共施設の省エネ・再エネなどに約36億9000万円、自動車・バイクのEV化に4億9000万円、その他施策が約7000万円で合計61億円程度を見込み、そのうち原則3分の2を国が補助する。

説明会には今井町長と和泊町の前登志朗町長らが出席。計画の推進に向けて今井町長は「九州電力と信頼関係を作りながら進めていく必要がある」と話した。前町長は「離島の沖永良部島が、最先端の島に生まれ変わるチャンスになる」と期待を込めた。

環境省では、年内にも先行地域の第2弾を選定し、25年度までに少なくとも100件に増やす考え。